中学受験ノウハウ 連載 今一度立ち止まって中学受験を考える

中学受験 受験生よりも5年生が一番しんどい!? その理由|今一度立ち止まって中学受験を考える

専門家・プロ
2022年11月17日 石渡真由美

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中学受験の勉強は、小学4年生から6年生の3年間かけて本格的な準備を進めていきます。入試本番に近づくほど大変になってくるというイメージがありますが、実は中学受験で一番しんどいのは「5年生」という人も多いです。それはなぜでしょう?

「割合」「比」「速さ」「濃度」抽象概念がバンバン出てきてピンチに!

中学受験をするなら、それを専門に指導する進学塾に4年生(正確には3年生の2月)から通うのが一般的です。4年生のうちなら、塾のある日は週2日程度と少なく、それほど負担は感じないでしょう。ところが、5年生になると週3日になり、模試の回数も増えていきます。塾に通う日が増えるということは、そのぶん宿題も増え、学習量の負担が重くのしかかります。

さらに大変なのは、学習の質が変わることです。4年生の勉強は、基礎的な学習が中心となるため、授業の内容が分からなくてついていけなくなるという子はほとんどいません。ところが、5年生になると4年生で学習した基礎内容はすでに理解しているという前提で、応用・発展的な内容に入っていきます。特に算数や理科では抽象的な概念の理解が必要となり、そこでつまずいてしまうと、たちまち成績が伸び悩んでしまうのです。

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宮本毅

宮本毅

  • 専門家・プロ

1969年東京生まれ。武蔵中学・高等学校、一橋大学社会学部社会問題政策過程卒業。大学卒業後、テレビ番組制作会社を経て、首都圏の大手進学塾に転職。小学部および中学部で最上位クラスを担当し、多数のトップ中学・高校に卒業生を送り込む。2006年に独立し、東京・吉祥寺に中学受験専門の「アテナ進学ゼミ」を設立。科目間にある垣根は取り払うべきという信念のもと、たった一人で算数・国語・理科・社会の全科目を指導している。また「すべての子どもたちに自発学習を!」をテーマに、月一回の公開講座を開催し、過去3年間でのべ2000名近くを動員する。若い頃からの変わらぬ熱血指導で、生徒たちの「知的好奇心」を引き出す授業が持ち味。YouTubeチャンネル「アテナチャンネル」を運営。

■著書

『はじめての中学受験 これだけは知っておきたい12の常識』(ディスカヴァー・トゥエンティーワン)『中学受験 同音異義語・対義語・類義語300』(中経出版)『文章題最強解法メソッド まるいち算』(ディスカヴァー・トゥエンティーワン)『中学受験 ゴロ合わせで覚える理科85』(KADOKAWA出版)『中学受験 ゴロ合わせで覚える社会140』(KADOKAWA出版)『ケアレスミスをなくせば中学受験の9割は成功する』(KADOKAWA出版)『合格する子がやっている 忘れない暗記術』(かんき出版)

石渡真由美

  • この記事の著者

フリーライター。子供の誕生をきっかけに、わが子の成長に合わせ、ベビー雑誌、育児・教育雑誌、塾専門誌で取材執筆。6年前に子供の中学受験を経験したものの、国立大学の附属中学で併設高校が無かったため、その3年後に“高校受験生の母”、またその3年後に“大学受験生の母”も体験。中・高・大の3つの受験を知る受験ライター。