学習 連載 中学受験のツボ[社会編]

【小4社会/製鉄業】歴史をさかのぼりつつ、製鉄のイメージを膨らませよう|中学受験のツボ[社会編]

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2022年12月10日 池田良輔

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保護者向けに中学受験の4教科のツボを解説。 社会編 吉崎正明先生池田良輔先生茂山起龍先生が担当します。
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国語算数理科

製鉄業について地理の授業で習うときは、「鉄鉱石・石炭・石灰石を原料としている……」「かつては『産業の米』と呼ばれ、重工業の中心だった……」といった“つまらない説明”を聞いて終わりがちです。

しかし、これでは記憶に残りにくく、おもしろくもありません。

一方で「昔はどうやって鉄をつくっていたのかな?」と歴史をさかのぼってみると、楽しく学習を進められますよ。

製鉄業の歴史

青銅器などと同じく、製鉄技術は弥生時代の頃に大陸から伝わったと言われています。鉄器は青銅器と比べると硬いため「武器」や「農具」として、青銅器は「祭器」として使われました。

 

鉄は、鉄鉱石と石炭(コークス)を炉の中に投入して高温にした後、鉄鉱石から酸素を取り除き、純度の低い鉄(銑鉄)を取り出すことでつくられます

現代では、不純物を取り除くために「石灰石」も炉に投入されていますが、このようなつくり方になったのは江戸時代から。それまでは鉄鉱石も石炭も本格的な採掘はおこなわれておらず、鉄鉱石の代わりに日本各地の山や海岸で採れた「砂鉄」を使い、さらには石炭のかわりにバーベキューで使うような「木炭」を使っていたんですね。

 

砂鉄は、かつては出雲地方(島根県)の辺りで多く採れたため、

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池田良輔

池田良輔

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SRP教育研究所 文系主任。既存の学習塾への疑問からSRP教育研究所の立ち上げに参画、文系代表を務める。教育哲学・教育社会学・教育史学等の複合領域が専門基盤。ある思想家の「消費者マインドの助長や蔓延が教育を危機に向かわせている」という主張に共感し、「学びの活性化」を授業の最重要目的として、チャレンジを続ける。長野県の喬木村出身で、「関東地区喬木村ふるさと会」幹事でもあり、東京の自治体や私学のお子さんの、自然体験を通じた豊かな学びの機会創出を画策中。