学習 連載 中学受験のツボ[算数編]

【小6算数/文章題】幅のある特殊算は「値の範囲」がわかれば怖くない!|中学受験のツボ[算数編]

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2023年1月18日 杉本啓太

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保護者向けに中学受験の4教科のツボを解説。 算数編 杉本啓太先生有賀隆夫先生が担当します。
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国語理科社会

こんにちは、杉本です。

今回のテーマは、幅のある特殊算について。

特殊算の応用問題のなかには、基本的な解法を使っただけでは答えがひとつに決まらない問題が出てきます。たとえば「このような計算をしてでた数を四捨五入すると◯◯になりました」と問題文に書かれている場合、“四捨五入する前の値”をひとつに定めることができません

こうした表現が問題に書かれていると混乱してしまう子は多いようですが、値がひとつに定まらないというのは、それほど難しいわけではありません。実は「値が定まらない」のではなく、「値に幅がある」と考えるだけで問題が簡単に解けることも多いのです。

そこで今回は「値に幅のある文章題」の解き方を、3つの例題を用いつつ紹介します。「難しいと思っていたけど、意外に解きやすい!」とお子さんが思うきっかけになればうれしいです。

四捨五入(切り上げ/切り捨て)をする問題

四捨五入(切り上げ/切り捨て)をする問題について、ふたつの例題を解いてみましょう。

例題1

ひとつ目は、四捨五入のある問題です。

例題1:

ある整数Aに7をかけて1の位を四捨五入したところ、30になりました。もとの整数Aは何でしょう。

 

まず、この問題を式で書くとこうなります。

今回の問題のポイントは、四捨五入する前の値Bがはっきりとわからないこと。ただし四捨五入する前の値がわからなくても、値の範囲は求めることができます。

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杉本啓太

杉本啓太

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株式会社ORA-Trio代表。家庭教師。灘高校から東京大学理科二類進学、同大学農学部卒業。大学時代は社会教育団体にて子どもの教育支援に携わりつつ、家庭教師・塾講師としても活動。卒業後は外資・日系コンサルティングファームに勤務しながら、土日は家庭教師としての活動を継続。その後プロ家庭教師として独立。学科指導だけでなく、学習の計画策定・環境作り・親御様の関わり方・生徒の性格起因の課題など、抽象的な問題の整理と解決を得意とする。2023年2月、模試結果分析を中心とした家庭学習コンサルティングを手掛ける株式会社ORA-Trioを設立。