連載 三田国際学園学園長 大橋清貫の「選びたい教育」

幸せになる確率の選択|三田国際学園学園長 大橋清貫の「選びたい教育」(2)

専門家・プロ
2016年5月18日 大橋清貫

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※この記事は、「マイナビ家庭教師」Webサイトに掲載されたコラムを再編集のうえ転載したものです。

第1回目のコラムで「中学受験を選択する積極的な意味」について書かせてもらいました。今回は、その積極的な意味に少し入っていってみたいと思います。

意外と知られていないのですが、学部単位で入学試験を実施する日本の大学入試は世界的にみると珍しいといわれています。これは、大げさに言えば、18才の時に人生に繋がる大きな選択をすることになります。すでに人生の選択に関わる意思決定ができていれば問題はないのかもしれません。しかし、そういう方ばかりでない気がします。

仮に入学後になんらかの目標が確立した場合、日本の大学では学部を変える転部は難しいのが現実です。この場合、退学して再受験になってしまいます。また、大学入試は年に1回が普通で、いわゆる一発勝負になっています。アメリカのSATテストが7回もあるのとは対照的です。こうやって見てくると、やはり18才の瞬間最大学力が求められていると考える人が多いのもしかたありません。

この状況では、大学入試に強い中学高校を目指すというのが、学校選択理由の上位になるのもやむを得ないのかもしれません。結果として希望の大学に入ることが中高時代の学習目標になり、合格することがゴールのような感覚になってしまう気がします。

しかし、大切なことは大学で何をどう学ぶかであり、その結果として社会で活躍できることにあるということは、誰もがわかっています。最初のゴールを大学合格ではなく、社会で活躍できる能力を身につけることとすると、どういう選択になるでしょうか。それは社会に出て活躍できる人材の条件をどのように考えるかによります。

習ったことができること、言われたことができること、皆と同じようにできることはやはり重要でしょう。しかし、トーマス・フリードマンの「フラット化した世界」(2005年)が出版されてから早10年、ITテクノロジーが劇的に進化した今、世界の競争環境と社会で必要とされる資質は大きく変わった気がします。そのことを意識した教育が必須の時代になってきていると思います。

すべては希望の大学に入ってからと考える6年間を選択するか、この6年間でその基礎力を身につけようと考えるかで中学受験の学校選択はだいぶ違ってくるのではないでしょうか。

やや極端かと思いますが、学校選択は「幸せになる確率の選択」と考えると判断がつきやすいのではと思います。それは中学受験を選択する積極的な意味にも通じると思うのです。

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■三田国際学園学園長 大橋清貫の「選びたい教育」バックナンバー

※記事の内容は執筆時点のものです

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