連載 三田国際学園学園長 大橋清貫の「選びたい教育」

中学校選択に必要な情報|三田国際学園学園長 大橋清貫の「選びたい教育」(3)

専門家・プロ
2016年5月25日 大橋清貫

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※この記事は、「マイナビ家庭教師」Webサイトに掲載されたコラムを再編集のうえ転載したものです。

第1回では「中学受験をする積極的な意味」の必要性を書かせてもらいました。第2回ではそれは「幸せになる確率の選択」でもあると書かせてもらいました。

そこで今回は「中学校選択に必要な情報」をどのように得ていくかについて考えてみましょう。その中でも今回は、「大学の付属中学」という選択について書かせていただきます。

仮に、中学受験をする積極的な理由が有名大学に進学するためであった場合、わりと合理的な中学校選びが可能です。どこの大学か決まっていれば、その付属中学を受験すればよいわけです。

有名大学のほとんどは付属中学を併設していますから、12才の受験で大学卒業まで見通しが立つわけです。総合大学であれば、学部選択も可能ですから、6年間考える時間もあります。この観点では大変合理的な選択と言えると思います。

その際、どこの大学を選択するかということになりますが、この場合でもなぜ選択したかという積極的な理由が必要だと考えます。10年間の教育の選択になる可能性が高いですから。人格や能力が身につく時期をどこで何を学ぶかは、その後の人生に大きな影響があるのは申し上げるまでもありません。

ですからご父母の出身大学や社会的に評価の高い大学を選ぶケースも少なくないと思います。ご父母は当然、出身校の情報を持っています。ある種、最も信頼できる情報ですから安心できます。また、すでに社会的に高い評価を得ている大学も安心な選択の対象なのかもしれません。

10年間の学びの選択です。その重要さはいくら強調しても足りないくらいです。確かに、出身大学への愛着、評価の安定している大学の価値、どれも納得感が得られると思います。しかし、その判断を下す前に、もう一度考えてほしいのです。「その10年間でどのような能力が身につきますか」「どのような能力を持って実社会に入っていけますか」「その能力には社会で活躍できる条件が備わっていますか」

この社会や世界が、この10年間で大きく変わってきたことは誰も否定できません。その結果、必要とされる資質も大きく変わってきたということは誰もが分かっています。だとすれば、中学校選択は13~22才という人生で最も力をつけるべき年月に、必要とされる教育の選択ということになります。

「中学校選択に必要な情報」、あえて言えば、「本当に大切な情報」とは何かということになります。各中学校がどんな教育をしているのか、その情報をしっかりと理解することが保護者の方にとっての大きな役割だと思います。なにしろ大切なお子さんの10年間の教育を選択するわけですから。

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※記事の内容は執筆時点のものです

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