連載 三田国際学園学園長 大橋清貫の「選びたい教育」

必要とする教育の定義が大きく変わった|三田国際学園学園長 大橋清貫の「選びたい教育」(6)

専門家・プロ
2016年6月14日 大橋清貫

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※この記事は、「マイナビ家庭教師」Webサイトに掲載されたコラムを再編集のうえ転載したものです。

前回は、「既知の知識について強いことは大切ではあるが、それだけでは通用しない時代になっている。世界はかつてないほど変化している今、未知の分野に果敢に挑み、解決していく力が必要とされている。」と書きました。

今の小学生が社会に出る頃は3人のうち2人が今現在存在しない仕事につくだろうという予測もあります。先が見えにくい時代になり、「このままで大丈夫だろうか。」「どのような学びをしておけばよいのか。」と誰もが考え始めています。

もしそのような時代に活躍するための教育があるとすればどうでしょうか。今回は、そこら辺りに少し触れてみたいと思います。

「どのような教育が必要なのか。」実は学校も模索している段階だと思います。大学受験の指導ではどの学校も迷いはありません。大学別の過去問題集が出ていますから、これらの正答率をあげる指導をすればよいわけです。もともと中学入試、高校入試を勝ち抜いてきた生徒さんたちですから、受験勉強に対する資質は十分です。効果的なトレーニングをしていけば、本人も高校も期待する結果を出してくれます。

しかし、きわめて不透明な21世紀を勝ち抜き、活躍するためのスキルを身につける教育はどのようにすべきか。その問いに対して明確な回答を持っている学校は極めて少ないのが現状です。たとえ回答はもっていても実際にその教育ができている学校となるとほとんどありません。

少数ですが、実際にそれおこなっている学校もあります。その方向に向かい始めた学校もあります。もしそのような学校に出会うことができれば、人生は変わると私は思っています。「出会うべき学校に出会い、成長実感を得られる教育の中に入る」ことができれば、生徒の将来展望は相当に違ってくると思っています。問題は出会えるかどうかにかかっていると思います。

なかには、「実績のある進学校に入って大学合格の結果を出していくことが大切だ。社会に出て活躍する能力は、本人個々の努力だ。自分たちはそうしてきた。」という方も少なくないと思います。それに異論はありません。本来個人の能力は一人一人のたゆまぬ努力で獲得していくものかもしれません。

しかし、この時代のこれだけの変化は過去の経験値だけでは突破が困難になってきていると思います。最も成長できる10代という年齢ゾーンで必要とする教育の定義が根本から違ってしまったと思っています。

次回その中身について触れていきたいと思います。

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※記事の内容は執筆時点のものです

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