学習 連載 中学受験のツボ[算数編]

【小6算数/平面図形】方眼を使った図形の面積の求め方|中学受験のツボ[算数編]

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2023年9月07日 杉本啓太

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保護者向けに中学受験の4教科のツボを解説
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国語理科社会

こんにちは。
株式会社ORA-Trio杉本です。

今回のテーマは「方眼を使った問題」です。

方眼とは、規則正しく真四角にくぎったマス目のことです。たて・よこの線が引かれた紙のことを「方眼紙」といいますが、あの「方眼」ですね。

 

この「方眼」に描かれた図形の問題を解くときは、ふだんとは少し違う解法を使うときがあります。中学校で「座標」や「作図」の単元で習う内容ですが、中学受験で出題されることも珍しくありません。

今回は、まず方眼に描かれた三角形の面積の求め方を紹介したあと、それを利用した応用問題について解説します。

方眼を使った三角形の面積の求め方

まずは、方眼を使った三角形の面積の求め方です。

以下の例題を見てください。

 

三角形の面積は、「底辺の長さ×高さ÷2」という公式で求める子が多いと思います。

でも今回の問題では、どこを底辺としても、「底辺の長さ」を求めるのは少し難しそうです。

 

このようなときに有効なのが「周りを長方形で囲んで、不要な部分の面積を引く」という解法です。

方眼をなぞって、求める三角形を囲むような長方形を描いてみましょう。すると、下のような図になります。

 

ここで、長方形PBQRは2辺の長さがわかるので、面積を求めることができます。

また、求める三角形以外の部分、つまり三角形PBA、三角形BQC、三角形CRAは、すべて直角三角形となっています。

こちらも、直角をはさむ2辺の長さがわかるので、面積を求めることができます。

そして、三角形ABCの面積は、長方形PBQRから三角形PBA、三角形BQC、三角形CRAの面積を引くことで求めることができます

 

解法は以下のとおりです。

1、長方形PBQRの面積は4×5=20㎠

2、三角形PBAの面積は、4×1÷2=2㎠

3、三角形BQCの面積は、5×2÷2=5㎠

4、三角形CRAの面積は、2×4÷2=4㎠

5、三角形ABCの面積は、20-2-5-4=9㎠

 

一つひとつの計算はそこまで難しくありませんね。ただ、出てくる図形は多くなります。

見まちがいをしないよう、式を丁寧に書いていきましょう。

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杉本啓太

杉本啓太

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株式会社ORA-Trio代表。家庭教師。灘高校から東京大学理科二類進学、同大学農学部卒業。大学時代は社会教育団体にて子どもの教育支援に携わりつつ、家庭教師・塾講師としても活動。卒業後は外資・日系コンサルティングファームに勤務しながら、土日は家庭教師としての活動を継続。その後プロ家庭教師として独立。学科指導だけでなく、学習の計画策定・環境作り・親御様の関わり方・生徒の性格起因の課題など、抽象的な問題の整理と解決を得意とする。2023年2月、模試結果分析を中心とした家庭学習コンサルティングを手掛ける株式会社ORA-Trioを設立。