学習 連載 中学受験のツボ[社会編]

【小4社会/地理】耕作に向いていない地形の「生産の工夫」|中学受験のツボ[社会編]

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2023年12月16日 井上佳之

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保護者向けに中学受験の4教科のツボを解説
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国語算数理科

こんにちは、井上です。

さっそくですが、作物をつくるために必要な「土地の条件」をふたつ挙げてみましょう。

 

答えは、「平らな土地」と「川(水)」ですね。

 

ところが日本は、国土面積の4分の3が山地(“よんぶんのさんち”と覚えましょう)のため、耕作に適した平地が多くありません。そして、ただでさえ少ない平地に、大きな川が流れているとも限りません

そこで日本の農家は、こうした少ない耕地で生産量を増やすために、いくつかの工夫を重ねてきました。

今回は、不利な地形を前にして、日本の農家がどのようにそれを乗りこえてきたのか紹介します。

工夫1:「大規模な干潟」を耕地にする

日本は島国ですから、周りはぜんぶ海です。

海そのものは生産にまったく適していませんが、「耕地を広げたい」と思っていた昔の人は、干潮になると干上がる、広大な”遠浅の干潟“を見て「ここが田畑だったらなぁ……」と思ったのでしょう。

そこで大規模な干潟では、古くから「干拓(かんたく)」という耕地づくりがおこなわれてきました。

 

重要な「三大干拓地」については、地図を使って覚えましょう。

【三大干拓地】

有明海(長崎県・佐賀県・福岡県・熊本県)
児島湾(岡山県)
大潟村(おおがたむら/秋田県)

 

工夫2:「斜面」を有効活用する

平地の少ない日本では、大変な苦労と工夫によって「斜面」も耕地にされてきました。

斜面につくられた畑は「だんだん畑」、水田は「たな田」と呼ばれます。このふたつが混ざらないように注意しましょう。

だんだん畑……愛媛県のみかん畑など
たな田……石川県の千枚田など(千枚田は、美しい景観でも有名です)

▼千枚田

 

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井上佳之

井上佳之

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学習塾伸学会講師。中学受験講師歴は30年に及ぶ。教室や地域の責任者として受験指導、保護者説明会・面談対応、カリキュラム・教材の作成等に携わる。東京・神奈川・埼玉・千葉の御三家をはじめとする、ほぼ全ての難関校に生徒・保護者を送り出した経験をもつエキスパート講師。社会科は、これから大人になる生徒の生きる力にもなりうる科目であり、家族の会話を豊かにし、他科目の学習意欲にも火をつける魔法の力を秘めていると考えている。