学習 連載 中学受験のツボ[算数編]

【小5算数/文章題】ニュートン算を攻略しよう|中学受験のツボ[算数編]

専門家・プロ
2024年1月03日 杉本啓太

0
保護者向けに中学受験の4教科のツボを解説
- 算数以外の3教科はこちら -

国語理科社会

こんにちは。
株式会社ORA-Trioの杉本です。

今回のテーマは「ニュートン算」。

得意・不得意がはっきり分かれる、という印象がある単元ですね。

 

苦手な子も多い単元ですが、応用問題の種類はそこまで多くない、という特徴もあります。

そのためお子さんによっては、一度解法を身につけてしまえば、突然「得意な単元」となるケースも珍しくありません。

 

今回は、基本的なニュートン算について、例題を解きながらおすすめの解法を解説します。

基本的な考え方・式の書き方をしっかりと身につけ、得点源にしてしまいましょう!

基本的なニュートン算の解法(窓口から入る人数を求める問題)

まずは、基本的なニュートン算の解法の流れを解説します。

以下の例題を見てください。

例題

コンサート会場の前に、開場前から行列ができています。窓口を18時に開けますが、その後も1分間に3人のペースで行列に人が加わります。窓口を3つ開けた場合、40分で行列がなくなります。窓口を9つ開けた場合、12分で行列がなくなります。

(1)1つの窓口から1分間に入ることができる人数は何人ですか。
(2)もし10分で行列をなくしたい場合、いくつの窓口を開ければ良いですか。

 

このような問題を解くときのポイントは、「結局、会場に入ったのは何人か」です。

この「会場に入った人数」を、2種類の方法で表すことを意識してみてください。

 

まずひとつ目の表し方は、「最初にいた人+開場後に追加でやってきた人」です。

 

1つ目のケース(窓口を3つ開けた場合)では、開場後にやってきた人数は3×40=120人です。

つまり、「会場に入った人数=最初にいた人+120」となります。

 

同様に、2つ目のケース(窓口を9つ開けた場合)では、開場後にやってきた人数は3×12=36人です。

ですから、「会場に入った人数=最初にいた人+36」となります。

 

さらに、もうひとつ「会場に入った人数」を表す方法があります。

それは、以下の式です。

【1つの窓口から1分に入ることができる人数】×【窓口の数】×【時間】

※これ以下の文章では、【1つの窓口から1分に入ることができる人数】を【窓口】と表します

 

この式を使うと、会場に入った人数は以下のように表すことができます。

1つ目のケース(窓口を3つ開けた場合)で会場に入った人数
=【窓口】×3×40
=【窓口】×120

2つ目のケース(窓口を9つ開けた場合)で会場に入った人数
=【窓口】×9×12
=【窓口】×108

 

よって、以下のふたつの式をつくることができます。

最初にいた人+120=【窓口】×120
最初にいた人+36=【窓口】×108

 

この2つの式の差に注目すると

84=【窓口】×12

となります。

 

ここから、

1つの窓口から1分に入ることができる人数=84÷12=7人

となります。

 

「会場に入った人数」を、「最初の行列+やってきた人」と「窓口から入った人」のふたつの視点から捉えて、式を立てる、というのがポイントです。

続きは会員の方のみご覧いただけます

0
杉本啓太

杉本啓太

  • 専門家・プロ
  • この記事の著者

株式会社ORA-Trio代表。家庭教師。灘高校から東京大学理科二類進学、同大学農学部卒業。大学時代は社会教育団体にて子どもの教育支援に携わりつつ、家庭教師・塾講師としても活動。卒業後は外資・日系コンサルティングファームに勤務しながら、土日は家庭教師としての活動を継続。その後プロ家庭教師として独立。学科指導だけでなく、学習の計画策定・環境作り・親御様の関わり方・生徒の性格起因の課題など、抽象的な問題の整理と解決を得意とする。2023年2月、模試結果分析を中心とした家庭学習コンサルティングを手掛ける株式会社ORA-Trioを設立。