学習 連載 中学受験のツボ[算数編]

【小6算数/時計算】状況整理ができれば時計算は難しくない|中学受験のツボ[算数編]

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2023年12月28日 有賀隆夫

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保護者向けに中学受験の4教科のツボを解説
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国語理科社会

髭之教育会代表の有賀です。

6年生は過去問演習を中心に、実践的な勉強を進めていると思います。

ここからのがんばりは、入試の結果に大きく反映されます。

何ができていて、何ができていないのか

これを的確に判断しながら、入試までの残りの時間を有意義に使っていきたいですね。

 

実際に入試問題や単元のない総合問題を解くと、忘れてしまっている単元が多いことに驚くと思います。そのなかでも「時計算」は、解けなくなっている状況が多い印象です。

そこで今日は、時計算の基本をお話しします。

時計算は独立した単元に感じやすい

時計算は速さに分類される単元です。

土台となる考え方は、旅人算で最初に学ぶ「追いかける旅人算」と同じです。

 

追いかける旅人算とは、次のようなものです。

分速60mで歩く人を分速80mで追いかけたとき、1分間に20mずつ距離が縮まる。

最初に200m離れていれば、

200m÷20m=10分

となり、10分で追いつくことがわかります。

 

この問題を解くことは、さほど難しくないと思います。

時計算はこの考え方をもとにして、解いていきます。

長針は360°を60分間で動くので、

360°÷60=6

となり、1分あたり6°進みます。

つまり、長針の速さは分速6°ということですね。

 

短針は30°(360°を12等分)を60分間で動くので、

30°÷60=0.5

となり、1分あたり0.5°進みます。

ですから、短針の速さは分速0.5°となります。

 

そして、分速6°の長針は、分速0.5°の短針を追いかけることになります。

ですから、1分あたり5.5°ずつ距離(角度)が縮まります

 

こうして見ると、時計算も追いかける旅人算も、考え方自体はまったく同じですよね。

それなのに、時計算になると、なぜわからなくなってしまうのでしょうか?

 

その理由は「角度が進む」という考え方がイメージしにくいからです。

 

毎日の生活で「距離が進む」ことには触れています。長い時間歩けば距離が進むのは、みんなわかりますね。

ところが、「角度が進む」ことに触れるのは日常では少ない。ですから、イメージすることができなくなってしまうのです。

絵にして状況を視覚化する

では、どうやってイメージすれば良いのでしょうか?

絵にして視覚化すれば良いのです。

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有賀隆夫

有賀隆夫

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髭之教育会代表。東京の大手進学塾で17年間指導。その後校舎責任者を経て独立しプロ家庭教師として15年間、小学生国語・算数、中学生国語・数学、高校生現代文を教える。現在は家庭教師センター髭之教育会代表として、難関校から塾に通わない中学受験まで幅広く個人指導をしている。「せっかくだから考えよう」と「絶対にあきらめない」が指導理念。学習指導の枠を越えて子どものメンタルサポート、学習スケジュール、志望校選定まで子どもと保護者とともに中学受験の総合プロデュースをおこなっている。