中学受験ノウハウ 親の関わり方

学習能力がない? 保護者が子どもの理解を助けるためにできる勉強法の改善策5選

2024年2月28日 みみずく

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子どもの成績が低迷していると、保護者は「この子は学習能力がないのかもしれない」と考え、不安になったり、成績を期待しないようにしたり、逆に無理をさせたりすることがあります。

しかし、そうなる前に、保護者が子どもの勉強をサポートする方法はたくさんあります。

親子で楽しくいろいろ試してみるのがおすすめです。

「学習能力がない」と保護者が思ってしまう子どもの特徴と改善策5選

保護者が「学習能力がない」と思うような特徴も、その多くは子どもにとってよくあることだったりします。

特徴ごとに、保護者にできる適切なサポートをご紹介します。

1. すぐに忘れてしまう

勉強も、明日の持ち物も、宿題の内容も、すぐに忘れてしまう……よくあることです。

保護者は、「忘れるのが当たり前」と認識した上で、忘れてよいこととダメなことをきっちり分けましょう

忘れてよいこと(予定や持ち物など)は保護者が紙に書いて、冷蔵庫のドアなどに貼っておきます

これを忘れた子どもには「冷蔵庫のドアを確認しよう」などと伝えます。

そもそも子どもに不必要なことまで覚えさせるのは避けるべきです。

中学受験期は子どもの記憶力リソースを勉強に集中させましょう。

一方、忘れてはダメなこと(科目の知識や解法など)はメモを取らせ、忘れたら見直す癖をつけさせます

メモの確認を繰り返すことで、子どもは記憶に自然と知識が残ります。

暗記方法も語呂合わせ、関連付け、イラスト化など、科目ごとに工夫して試してみましょう。

2. 同じミスをくり返す

多くの子どもはミスを「ケアレスミス」などと軽く考えがちで、ミスをなくすための具体的な方法はわかっていません

だから、保護者が「次はミスしないように」と言うだけではミスがなくなりません。

まず、保護者は、ミスした子どもに「ケアレスミスを甘くみてはいけない、そのミスをくり返すことで志望校合格が遠のく」と何度も伝えます

このとき、怒鳴ったり説教したりする必要はありませんが、毅然とした態度を示すことが大切です。

次に、ミスを防ぐための具体的な方法を考えて試していきます

たとえば、計算ミスならば、子どもの問題用紙の書き込みなどを見て、途中式や筆算の書き方、計算の工夫などを、できるようになるまで練習させます。

3. 理解に時間がかかる

子どもが塾の授業やテキストの内容を理解できていないことに気づいて、この子は理解力が足りないのではないかと不安に思っていませんか?

塾のカリキュラムに合わせようとすると、理解が追いつかないことはよくあります

特に難関校合格を目指すタイプの塾ではこの傾向が顕著です。

保護者は、理解に時間がかかる子どもを責めたり、追い立てたりしないようにしましょう

模擬試験や組分けの結果が悪くても、「子どもの弱点とこれから勉強すべきことがわかってよかった」と考える冷静さが大切です。

その上で、理解すべきことと暗記すべきことを分けてあげます

たとえば、算数の「速さ」の単元では、「速さ=単位時間あたりに進む距離」という定義は暗記すべきです。

一方、この定義さえ覚えていれば、速さの3公式や「みはじ」の図を覚えなくても、ほとんどの速さの問題を解くことができます。

保護者は「時速60kmは1時間で60km進むという意味だから、この時速で3時間進んだら何kmになる?」などと定義に基づいた話をして、子どもに「速さとは何か?」をしっかり理解させるとよいでしょう。

4. 思い込みが激しい

子どもが「できない」と悩む原因の多くは思い込みだということを保護者は知っておく必要があります

「難しい」「できない」と決めつける思い込みもあれば、間違って覚えたことを「正しい」と信じ込む思い込みもあります。

「難しい」「できない」と子どもが思い込んでしまう悩みは、多くの場合、一つ一つのことに丁寧に取り組ませて、確実にできることを増やしていくと解消されます

たとえば、算数が苦手な子には、四則計算のルールを改めて教え直し、それらを速く正確にできるように何度も練習させると効果的です。

一方、「正しい」という思い込みの強い子には、知っていることでも参考書などを確認する癖をつけさせます

「自分の記憶は間違っていることがある」と自覚させることからスタートです。

5. 優先順位を決められない

多くの子どもは優先順位を決められず、時間内に必要なことを終えられません

優先順位を決める練習は、子ども任せにせず、保護者が主導権を握って行うことが大切です。

普段の勉強では、保護者が塾の宿題などを取捨選択した上で、一つ一つのことにかける時間を決めてしまいます

また、「10分以内に終わらなければ後回し」などのルールも設定するとよいでしょう。

各科目の勉強でも、現時点で学習効果の薄そうな問題や単元を省いてしまうのも保護者の役割です

たとえば、国語が極端に苦手な子どもに対しては、とりあえず記述問題には手をつけず、まずは知識・記号選択・抜き出し問題で8割以上を目指させるといった戦略を考え、実行させる、といった優先順位を考えましょう。

「学習能力がない」を勉強法の改善で克服する

保護者が子どもに合った勉強法を見つけてあげると、子どもが飛躍的に成績や学力を伸ばすことがあります。その可能性を信じて、「学習能力がない」と決めつけず、いろいろ試してみることが大切です。

※記事の内容は執筆時点のものです

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