学習 連載 中学受験のツボ[算数編]

【算数/2024入試分析】近年の入試傾向は? 特徴的な算数の問題と対策方法を解説|中学受験のツボ[算数編]

専門家・プロ
2024年4月24日 杉本啓太

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保護者向けに中学受験の4教科のツボを解説
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国語理科社会

こんにちは。
株式会社ORA-Trio杉本です。

今回は2024年の中学入試問題のなかから、最近の傾向を反映した特徴的な問題と、その対策について解説します

 

今回紹介する問題は、極端に難易度が高い問題ではありません。ただし、受験生が「こんな問題見たことない」という印象を受けるであろう、ユニークな問題です。

このような問題に立ち向かっていくためには、どのような学習によって、どのような力を身につけていけば良いのでしょうか?

2024年の入試のなかに見えた、受験生に求められている力日々の学習で心掛けるべきポイントについて解説します。

浅野中学 ―― 特殊ルールにおける考察

浅野中学では、チェスを題材に用いたおもしろい問題が出題されました。

ナイトの駒の動き方を提示し、「盤面の上で、同じマスを2度通らず、最初のマスに戻ることができない」理由を説明させる問題です。

 

おそらく多くの受験生は、「チェスの駒の動きの考察」などしたことはないでしょう。また、この問題では、実際のチェス盤(8×8)と異なる特殊なチェス盤(7×7)が使われていました。

ということは、実際に問題で提示された条件を考えたことのある受験生は皆無だったと考えられます。

 

このような問題でまず大切なのは「はじめて見る内容でも思考を止めず、いろいろ試してみる積極性」です。

「自分はチェスなんてやったことないからわからない」と諦めないことですね。

実際に問題で提示されたルールで駒を動かしながら、試行錯誤することが大切です。そうすることで、法則性が見えてきます。

 

また、もうひとつ大切なのは「自分のなかにある論理を言語化する表現力」です。

法則性が見つかり、問われている理由が頭のなかにできあがったあと、それを文章にして説明する力も問われています。

理由を説明させる」という記述型の問題は、最近の入試問題において増えてきていますが、これは各学校が「自分のなかで論理を考えられるだけでなく、他人が理解できる形に再構築できる子」を求めているからと考えられます。

特徴的な問題に対応するために大切な学習方法

「初見の問題への積極性」や、「論理を言語化する表現力」を身につけるためには、日々どのような学習を心がければ良いのでしょうか?

ポイントをふたつお伝えします。

1、目の前の問題を丁寧に読む

初見の問題への積極性を身につけるためには、「見たことのない問題でも解けた」という成功体験が不可欠です。

そしてその第一歩として、まず「問題文を丁寧に読む」というトレーニングが重要となります。

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杉本啓太

杉本啓太

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株式会社ORA-Trio代表。家庭教師。灘高校から東京大学理科二類進学、同大学農学部卒業。大学時代は社会教育団体にて子どもの教育支援に携わりつつ、家庭教師・塾講師としても活動。卒業後は外資・日系コンサルティングファームに勤務しながら、土日は家庭教師としての活動を継続。その後プロ家庭教師として独立。学科指導だけでなく、学習の計画策定・環境作り・親御様の関わり方・生徒の性格起因の課題など、抽象的な問題の整理と解決を得意とする。2023年2月、模試結果分析を中心とした家庭学習コンサルティングを手掛ける株式会社ORA-Trioを設立。