学習 連載 中学受験のツボ[算数編]

【小5算数/旅人算】進んだ距離の和・差を利用した問題のポイント|中学受験のツボ[算数編]

専門家・プロ
2024年8月08日 杉本啓太

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保護者向けに中学受験の4教科のツボを解説
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国語理科社会

こんにちは。
株式会社ORA-Trio杉本です。

今回のテーマは「旅人算」。

複数人の登場人物が進んだ距離の「和」や「差」に注目して解く問題について解説します。

 

今回紹介する解法は、「知らなくても正解にはたどり着けるが、非常に時間がかかる」といった種類のものです。

逆に言うと、「知っていれば短時間で解答にたどり着くことができる」ということです。

 

そして、難易度の高い入試問題では、今回紹介する解法・考え方をもとに、さらに応用する力が問われる場合もあります。

そのため、まずは解法を身につけたうえで、「どのような問題で使うことができるか」が頭の中で整理されている必要があります。

解法を丸暗記するのではなく、ぜひ解法の理由・条件と合わせて理解しておきたいですね。

 

今回は、進んだ距離の「和」「差」に注目する問題について、1題ずつ例題を解きながら解説します。

進んだ距離の「和」に注目する問題

まずは、進んだ距離の「和」に注目する問題です。

以下の例題を見てください。

例題1

りんさんは分速30m、なでしこさんは分速45mで進みます。2人は同時に家を出発し、600m離れたキャンプ場との間を往復し続けます。

(1)2人がはじめて出会うのは出発してから何分後でしょう
(2)2人が2回目に出会うのは出発してから何分後でしょう

 

まず、(1)です。

2人がはじめて出会うのは、図のように2人の進んだ距離の和が1200mとなったときです。

 

りんさんは分速30m、なでしこさんは分速45mなので、2人の進む距離の和は1分あたり75mです。

よって、2人が初めて出会うまでの時間は、

1200÷75=16分後 となります。

 

次に、(2)について考えてみましょう。

2人が2回目に出会うときが「どのようなときか」というのは、(1)と同じように「2人の進んだ距離の和」で表現することができるのです。

上記のような図を描いてみると、ふたりの進んだ距離の和は家・キャンプ場の距離の4本分。つまり、2400mとなったときだ、ということがわかります。

これを利用すれば、2回目に出会う時間は簡単に求めることができますね。

 

ふたりが出会うのは、ふたりの進んだ距離の和が600×4=2400m となったときです。

出会う時間は、

2400÷75=32分後 となります。

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杉本啓太

杉本啓太

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株式会社ORA-Trio代表。家庭教師。灘高校から東京大学理科二類進学、同大学農学部卒業。大学時代は社会教育団体にて子どもの教育支援に携わりつつ、家庭教師・塾講師としても活動。卒業後は外資・日系コンサルティングファームに勤務しながら、土日は家庭教師としての活動を継続。その後プロ家庭教師として独立。学科指導だけでなく、学習の計画策定・環境作り・親御様の関わり方・生徒の性格起因の課題など、抽象的な問題の整理と解決を得意とする。2023年2月、模試結果分析を中心とした家庭学習コンサルティングを手掛ける株式会社ORA-Trioを設立。