学習 連載 中学受験のツボ[算数編]

【小4算数/場合の数】樹形図が苦手な子におすすめの工夫|中学受験のツボ[算数編]

専門家・プロ
2024年8月14日 有賀隆夫

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保護者向けに中学受験の4教科のツボを解説
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国語理科社会

髭之教育会代表の有賀です。

毎日暑いなか、子供たちはがんばって勉強していると思います。

算数の勉強は、ほんの小さな工夫で劇的にラクに解けるようになります。小さな工夫のことを「算数の作法」と呼ぶとわかりやすいかもしれません。

今回はそんな算数の作法のうち「樹形図」について説明します。

樹形図をうまく書くときの3つのポイント

樹形図とは、問題の条件が何通りあるか数え上げる方法です。

具体例として、次の問題を見てみましょう。

【問題1】
0、1、2、3のカードがそれぞれ1枚ずつあります。
このカードを並べて3桁の整数をつくるとき、何通りの整数をつくることができますか。

 

【答え】18通り

 

複雑な思考は必要なく、コツコツと書くだけの単純作業となります。ですから、大人から見ると非常に簡単に感じるかもしれません。

ですが、子供にとってはなかなか難しいようです。

そこで、樹形図を書くときの3つのポイントをお伝えします。

1、文字のサイズをそろえる

樹形図を書く目的は、いくつあるか数え上げることです。

均等に並んでいないものを数えるのは難しいですよね。

まずは字の大きさをそろえるようにすると、とても見やすくなります。

2、縦の列をそろえる

先ほど例として挙げた樹形図を見てください。

百、十、一、それぞれの位をそろえて書くようにしています

これで「同じ種類のものが並んでいる」と意識しやすくなり、数えやすくなりますね。

3、秩序を持って書くようにする

はじめて樹形図を書く子は、思いついた数から書き始める場合があります。

「何通りか調べるのにそれはないだろう」と大人は思いますよね。ところが、高学年でも思いつきで書いてしまう。そして、取りこぼして間違った解答をしてしまいます。

 

解決策は「小さい数字から並べて書いていく」という単純なことです。

先ほどの問題ならば、次のような要領です。

(1)百の位に0は使えないので最小は1

(2)十の位には0、2、3の数字が使える。そこで小さい順に0、2、3の数字を並べる

(3)一の位も同様に、残っている数字を小さいほうから並べる

百の位 → 1
十の位 → 0

であれば、一の位 → 2、3

 

子供がよくやる失敗は、0を最後に書いてしまうパターンですね。

いちばん小さい数字は0だよ」とひと声かけてあげるといいかもしれません。

とても単純な話ですが、これだけのことで正確な樹形図が書きやすくなります。

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有賀隆夫

有賀隆夫

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髭之教育会代表。東京の大手進学塾で17年間指導。その後校舎責任者を経て独立しプロ家庭教師として15年間、小学生国語・算数、中学生国語・数学、高校生現代文を教える。現在は家庭教師センター髭之教育会代表として、難関校から塾に通わない中学受験まで幅広く個人指導をしている。「せっかくだから考えよう」と「絶対にあきらめない」が指導理念。学習指導の枠を越えて子どものメンタルサポート、学習スケジュール、志望校選定まで子どもと保護者とともに中学受験の総合プロデュースをおこなっている。