【小4国語/学習のポイント】国語力を高めるために読書は必要?|中学受験のツボ[国語編]
こんにちは、NPS成田予備校の住岡です。
今回は、おうちの方が一度は悩むであろう「読書」の問題です。
- 国語の文章を読めるようになるには読書をしたほうがいいの?
- 読書って効果があるの?
- うちの子は読書をしないから、国語が苦手で……。
などなど、さまざまな悩みがあると思うので、それらを解決できるようなアドバイスをしていきますね。
それではいきましょう!
読書の効果
まずは読書の効果からお伝えします。
“一般的な読書”であれば、本屋や図書館などで小説や伝記、はたまた自然科学系の評論文などを手して読んでいくことになります。
この場合、選んだ本を自由気ままに、好きな体勢でリラックスしながら、自分の読みたいスピードで読めますよね。
読んでいる最中や、読み終わったあとには「おもしろかった」「感動した」など、読み手の感情も湧き立てられます。
こうした“一般的な読書”は「楽しかった」「気分転換になった」「新しい知識を得た」などの効果が手に入り、趣味にもなるため、決して否定されるものではありません。
本が好きなら、積極的に読書をするべきともいえます。
一方で、中学受験を控えた親子が目的とすべき読書は、上記のような読書ではありません。
中学受験で求められる読書は単なる趣味や息抜きではなく、
新たな語句を習得し、
読むスピードを上げながら、
登場人物や筆者の考え・意見を適切に読み取り、
読み手の子供の想像力や発想力を養う
といった意味での読書です。
つまり“一般的な読書”と、中学受験を控えた親子が求める読書は、「本を読む」という行為自体は一緒であっても、取り組み方や目的はまったくもって異なるものなのです。
“一般的な読書”が目的の場合には、中学受験で求めるような効果は十分に得られないということですね。
私自身、「国語をできるようにするために読書をしたほうがいいですよね?」と親御さんからよく聞かれますが、まずはどのような目的で、どのような読み方で読書をするのかを明確にしてから、おうちの方と話をするようにしています。
「読書に対する意識の差」は国語力に影響する
「読書をしている(いた)から国語が得意」「読書をしていないから国語が苦手」という声を耳にすることがありますよね。
しかし私は、国語の得意・不得意に関して、読書の有無は大きく関係していないと考えています。読書をしていない子でも国語が得意な子はいますし、その逆の子もいるからです。
ただし「読書に対する意識の差」は国語力に大いに関係してきます。
たとえば本を読んでいてわからない語句が出てきたときに、誰かに聞いて教えてもらったり、自分で辞書で調べたりする子と、わからないままにする子では、どちらのほうが成長するでしょうか?
当然、前者ですね。
では、物語にのめり込み、登場人物と感情を共有する子と、登場人物の関係性を把握しながら冷静に読める子であれば、どちらのほうが成長するでしょうか?
こちらは後者です。
なぜなら、登場人物の気持ちに寄り添いすぎて主観的な判断をしてしまう子よりも、登場人物の関係性を把握しながら読む子は客観的に物語を理解できるからですね。
同じ読書であっても、「読むときの意識の差」によって国語力に与える影響は変わってきます。
国語の得手・不得手に読書の有無が関係していると単純に考えるのではなく、読書をするのであれば、お子さんが意識的に考えながら読めているか? を重視するようにしましょう。
結局、読書はすべき?
結論から言えば、中学受験のための読書を張り切っておこなう必要はありません。テキストの文章を、じっくりと読み解いていくだけでも十分です。
ただし、最近流行りのテーマや作家、中学受験で頻出の作家・作品などは、その時流を押さえたり、文体に慣れたりする目的であれば読んでもいいと思います。
また、国語の長い文章に“アレルギー反応”を起こすようであれば、対策として読書をすることはおすすめできます。
とはいえ、国語を得意にする目的での読書は本を読むことへの苦手意識を植え付けてしまう可能性もあるため、慎重におこなうようにしましょう。
※記事の内容は執筆時点のものです
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