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直前で志望校を変えたくなったらどうする?│中学受験塾のトリセツ#52


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年が明ければ1月10日の埼玉入試を皮切りに、千葉、そして東京・神奈川と首都圏の入試が始まります。

6年生はそろそろ受験校を確定し、入試スケジュールを組んでいることでしょう。

しかし、模試の結果や子どものモチベーションなどから、直前で志望校を変更したいと思うこともあるかもしれません。

個人的には安心して入試に臨むためなら直前の志望校変更もアリだと思いますが、いくつか注意点があります。

今回は、直前で志望校を変えたくなったときはどうすれば良いかについてお話しします。

 

直前での志望校変更で気をつけたいこと

直前での志望校変更で気になるのは、「入試傾向と入試スケジュール」です。

「チャレンジ校の受験をやめて、第一志望校と抑え校のみ受ける」など、受験する学校を減らす分には問題ありません。

気をつけたいのは、受験する予定のなかった学校を受けたくなったケースです。

新たに受験する学校を増やすということは、ゼロから対策を始めなければならない学校ができるということになります。

たとえ偏差値が安全圏にある抑え校だとしても、少なくとも1回分は過去問を解いておきたいもの。

過去問をねじ込む余裕があるなら良いのですが、元々の志望校対策で手いっぱいの場合は、たとえ抑え校でも増やすのはおすすめできません。

実際に毎年、「偏差値や対策から考えて絶対合格する」とみなが思っていた学校で、不本意な結果となってしまう子はいます。

初めての入試で雰囲気に負けて実力が出せなかったり、国語の読解で本文を読み違えて大問ごと落としてしまったりと、入試では偏差値通りの結果が出るとは限らないのです。

抑え校も過去問を解かなければならないの?

安全圏の抑え校とはいえ、ある程度対策をしていないと、望む結果を得られないことがあります。

過去問に取り組む目的は、問題内容というより、問題形式を理解することです。

一通り解くと、たとえば、時間に対する問題量が多いか少ないかがわかりますよね。

問題量が多く1問にかけられる時間が少ないのであれば、空欄を作らないために、難しそうな問題は一旦捨てて先へ進む必要があります。

また、算数では途中式への加点対象はあるか、国語であれば長文読解は何問あるかなども見ておきたいところ。

科目を問わず、「解答欄が見づらくてどこに何を書いたら良いかわからない」というケースもあります。

「解かなくても見れば分析できる」と思うかもしれませんが、子どもは問題と解答用紙を見て分析するより、実際に解いてみたほうが多くのことに気づき、吸収できるように思います。

習うより慣れろ。受験する学校の過去問は、ぜひ一度通して解いてみてください。

時間があっても志望校変更が難しいケースは?

入試傾向が近い学校なら、志望校変更が可能なケースも多いですが、入試傾向が大きく変わる場合、変更の難易度は上がります。

とくに難関校では学校ごとに、「算数の図形対策が必須」「国語の記述量が非常に多い」などの特色が強く表れることもあります。

今までとは違う勉強が必要とあれば、入試まで1ヶ月という直前では変更が厳しい可能性も。

予定になかった面接試験がある場合も、特別な対策が必要になりますね。

すでに抑え校や志望校の合格を得ているなど特殊なケースを除いては、入試傾向が大きく違う学校の直前受験はリスクが高いと考えてください。

入試傾向と入試スケジュールが問題なければ直前での変更はアリ

受験するからには対策が必要ですが、難関校でなければ、基礎知識を広く問う、素直な入試問題が多いように感じます。

過去問を1~2回できる程度の余裕があるなら、急な変更も十分対応できるでしょう。

「この学校をどうしても受けたい」「この学校は受けたくない」という強い気持ちが本人にあるなら、当日のモチベーションにもかかわります。

直前であっても入試スケジュールを見直し、変更を検討するのは良いと思います。

受験する学校は第一志望を軸に決めよう

直前の志望校変更がデメリットにならないために確認すべきなのは、「入試傾向と入試スケジュール」です。

入試傾向が近い学校で、入試までに過去問を最低でも1回解く時間があれば、志望校変更は十分検討の余地があります。

個人的には、第一志望校は変えないほうが良いと思っています。

というのも、第一志望校はずっと目標にしていた学校なので、急に変更しても後から「やっぱり受けておけばよかった」となる可能性があるからです。

もちろんほかにもっと強く入学したいと思える学校ができた場合は仕方ありません。

しかし、直前に自信がなくなってしまった結果の変更ならば、何とか気持ちを乗せてやりきってみてほしいですね。

抑え校やチャレンジ校など、それ以外の受験校の場合、直前の変更は問題ないと考えています。

第一志望校を安心して受けるため、もしくは第一志望校合格を得たから、ということであれば、直前でも構わずチャレンジ校や抑え校の変更を検討してみてください。

入試傾向や入試スケジュールに関しては、塾が有効な情報を持っていることも多いと思いますので、ぜひ塾への相談もしてみてくださいね。

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※記事の内容は執筆時点のものです

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