連載 プラスにする中学受験

【連載第14回】「プラスにする中学受験」~ファンになれる私立中学を見つけよう!~

2016年8月26日 杉山 由美子

「学校探しはお早めに」

私立中学には子どもより親のほうが熱烈なファンというパターンが多いです。保護者の賛同を得られないと、学校運営はうまくいかないということを校長先生はじめ学校側は知っているのです。独特の理念を理解してもらう努力を重ねています。そこを理解して学校選びをするのが賢明です。

筑駒の取材をしたあと、「保護者からもお話をうかがいたいのですが」と、校長先生に申し出ると、気軽にこうおっしゃったのです。
「いいですよ。今日もきていますよ。毎日誰かしら来ていますから」

実際そうでした。保護者と学校の距離はとても近いのです。「とっても楽しい6年間でした。卒業したのが残念なくらいでした」という元保護者もいました。

また、共立女子中高には保護者控室もありました。文化祭はじめ主要な学校行事には保護者の協力はなくてはならないものです。毎日のように駆けつけて何かしらしています。

女子私立中学・高校で伝統校であればあるほど、学校行事に参加は組み込まれています。それは男子校でも同じです。

私立中学高校は「学校の理念」があります。その成り立ちはさまざまです。

「うちは進学校ではありません」

そういう学校が多かったのですが、なるほど宗教的バックボーンもさまざまです。カトリック、プロテスタント、仏教、とあり、学費が比較的安く、猛烈に勉強させるカトリックは、神父や修道女が経営しているから人件費がかからず寄宿舎が多いというのも納得できます。またそれだけに戦時中は、厳しい弾劾も受け、廃校まで追い詰められた学校も多いのです。

戦時下では爆撃の被害を受け、戦後は敷地を狭められた豊島岡のような学校もあります。

元は裁縫学校だった豊島岡が、みごとな進学校に変身したのは、校舎を見違えるような建物にして図書館から体育館、音楽室、茶室まで完備の校舎を建て、進学に力を入れたからです。前校長の努力を知ると胸がふるえました。

戦争をかいくぐって甦った学校にはロマンと先生方の努力があります。

「こういう学校にしたい」熱い思いがあるのです。

問題児ばかりを集め、その子たちを集団で教育した学校もあります。女の子にも高等教育をめざしたプロテスタントの学校もあります。

そしてすばらしいのはその努力は今も続いているということです。

案外、学校見学は時間がなくてなおざりになりがち。とうとう時間切れで第一志望しか見学できず、第4、第5志望は見もせず決めて、心ならずも入学した人の多いこと。入りたい学校、好きになった学校に入るための準備は早くからしておきましょう。

※記事の内容は執筆時点のものです

杉山 由美子
この記事の著者

出版社勤務をへて、フリーランスライターに。おもに教育、女性が働くことについて取材、執筆をしている。著書に『長男が危ない』(草思社文庫)『中学受験SAPIXの授業』(学研新書)『お金をかけずに「できる子」を育てる』(岩崎書店)など多数。

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