
【連載第18回】「プラスにする中学受験」~中学受験成功の鍵~
「家族が大好き」
気持ちのいい秋空も広がって、子どもは運動会、文化祭、秋の行事に夢中になっている時期でしょう。お母さんの出番の多い時期でもあります。勉強意欲も高まります。方向性も固まってきた方も多いと思います。しかし一方で加熱する進学ブームで、塾に指導通り宿題も増え、夜遅くまで机に向かうお子さんも増えてきているのではないでしょうか。
どこまでやればいいの。「合格のためには学習量をふやすしかない」と目いっぱい勉強させる傾向はこのへんで一度冷静になったほうがよさそうです。
なんのために中学受験をさせるのか。何度も書きましたが、中学受験はゴールではありません。中学受験が終わった後も、大学受験、さらに就職試験もあります。留学する子もいます。さまざまな各種試験もあります。中学受験が終わったあとすぐに予備校に通う子がいるのはご存じの通りです。
競争は果てしなく続き、チャレンジも果てしなく続きます。
つまり競争にへこたれてはだめなのです。競争を楽しむくらいの子が社会で伸びていけるのです。それにじっさい優劣はなかなか決まりません。いい中学に入っても大学受験ではうまくいかない場合もあります。大学受験はうまくいっても就職試験で苦戦する場合もあります。就職してもやめてしまう場合もあります。本当に今の子はタフです。しかも優劣は一概に決められません。
生き抜いていくには、真の強さが必要です。そんなことを考えさせたのがアテナ進ゼミ主宰の宮本毅さんの『はじめての中学受験』。へんな常識がまかり通っている進学塾の常識をひとつひとつ打ち破っています。誤解や常識は子どものその後も影響を与えかねないと警告を発しています。早くからの塾通い。やみくもな勉強も戒めています。
そして印象的なのが「成功する親子には特徴がある」「家庭がしっかりしている子は受験に強い」というのです。
「親子関係が良好である」「兄弟の仲が良い」「日曜日など家族そろってでかける」「習い事はひとつかふたつ」「お母さんがきちんと料理をする」「過度に甘やかされていない」「子どもらしい持ち物をもっている」「テキストやノートに自分で名前を書いている」「塾や学校の用意は自分でしている」などです。
これは著者の宮本さんのお母さんがこのようなしつけをしっかりしていたという話なので、現代っ子の共働きがふつうになってきた家庭にあてはまらないこともたくさんあるでしょう。でも参考になる話でもあります。
家庭内がおだやかでぎすぎすしていない。子どもがのびのびしてくつろげる。知的好奇心が満たされていて、仲が良い。こんな家族が成功させやすいのは本当です。わが子が親が好きで、家族が大好き、そんな家族にするために努力することが大事だなと思います。
※記事の内容は執筆時点のものです
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