「領収書のお名前は?」「上でお願いします」「え?上手様ですか?」|全力珍回答! ホメ夫先生のやる気引き出し術(8)
こんにちは。辻・E・ホメ夫です。
ハロウィーンが終わると、もう町はクリスマスの準備。イルミネーションが眩しいですね。
さて、今回は子どもたちの珍回答にはいる前に、大人の間違いの話をしましょう。
この前、あるスーパーで理科実験用の果物を(レモン電池の実験をしました。みなさんやったことありますか?レモンに限らずですが、多くの果物は「電池」になるのです。一度「レモン電池」でインターネット検索してみてください)買いに行った時のことでした。
大人だって初めてのことは間違いますよね?
ホメ夫「あの、領収書をもらっていいですか?」
店員さん「はい。お名前はどうしときましょう?」
ホメ夫「じゃあ、上でお願いします。」
店員さん「上手様ですか?」
思わず吹き出しそうになりましたが、まだ大学生くらいと思しき若い店員さん、「上」という宛名書きが初めてだったのでしょう。
過去に「小野市」というところに住んでいた友人が、デパートで店員さんに「お熨斗はどう致しましょう?」と聞かれて「小野市をどういたしましょうって言われても……」とモジモジしていたのを思い出してしまいました。
「経験不足」からでる珍回答
これに似た「経験不足」からでる珍回答が、子どもたちにもあります。
小学校低学年、算数の問題もまだまだ簡単なたし算やひき算が中心です。あるお子さんのテストの答えに、
「もらえます。」
というのがありました。
算数の答えなのに、なにが「もらえます」なんだ?
と思い、問題文を読んでみると、次のような文章問題でした。
「にゃんきちくんは、魚のほねを3本もっています。ほねが7本あると、キャットフードと交かんしてもらえます。あと何本のほねがあれば、キャットフードと交かんしてもらえますか?」
この子は、「してもらえますか?」という問いに注目して、イエス・ノーで考え「もらえます。」と答えていたのです。大人が見ると吹き出しそうですが、本人はいたって真剣です。
「もう一回、文章をよく読んでみようか。にゃんきちくんは、ほねを何本持っていたの?」
「何本になったら、どうなるのかな?」
順を追って一緒に考えていくと、本来答えるべきものに気づきます。
この話を高学年のお子さんにすると「信じられない」という表情をします。
「君だって何年か前は『もらえます。』って答えてたんだぜ。」とからかうと「いや、僕は絶対やってない。」とムキになって否定したりします。「先生こそ、何十年か前には『もらえます。』ってやってたんじゃん。」とも(笑)。
まったく、そのとおりですね。
学習は経験と気づきの繰り返し
経験不足は、ときには大人から見て信じられないような答えをお子さんに出させます。そんなときこそ、一緒に「何を聞かれているのか」を考え、ひとつ「経験」をさせてあげてください。
「ああ、なんであんなことがわからなかったんだろう。」
後になれば、お子さんは思うはずです。私は子どもたちや親御さんによく申し上げるのですが、学習は経験と気づきの繰り返しです。
わかってしまえば「なぁんだ。」と思うことがなかなかわからなかったり、気づいてしまえばもう間違わなくなることほど、気づきには時間がかかったりするものです。
まるで、なかなか乗れなかった自転車に乗れるようになったら、ずっとそれを体が覚えているように。
だから、お子さんがあることをなかなか理解できなくても、急かさず待ってあげてほしいのです。
時間をかけて習得したことは、その後長い時間、お子さんの一部として、お子さんが問題を解くときに助けてくれるはずです。
そしてそのうち「そんな間違い、僕がするわけないじゃん。お母さんこそ何十年か前には……」と口答えのひとつもしてくれるようになるはずです。
※この記事は、「マイナビ家庭教師」Webサイトに掲載されたコラムを再編集のうえ転載したものです
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※記事の内容は執筆時点のものです
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