連載 ホメ夫先生のやる気引き出し術

漢字の練習「メキカゼヌ」「クルマヌツチ」何のことだかわかります?|全力珍回答! ホメ夫先生のやる気引き出し術(10)

専門家・プロ
2015年12月08日 辻義夫

こんにちは。辻・E・ホメ夫です。

今年もあと1ヶ月を切りました。今年は暖冬らしく、師走らしい寒い日が少なそうなのですが、それでも子どもたちの大好きな冬休みとクリスマスが、あと2週間あまりでやってきます。街もキラキラしはじめていますね。

さて今回は、暗記のお話です。

「メキカゼヌ」「クルマヌツチ」何のことだかわかります?

ホメ夫が所属する個別指導教室、SS-1では、冬休みなどの長期休暇になると、子どもたちが朝からやってきます。そして、授業の合間に自習などをしていたりもするのです。数年前の冬休み、3年生くらいの男の子が漢字を覚えているのを目にしました。その子は「メキカゼヌ」「クルマヌツチ」などと意味不明なことを唱えていたので気になってしまったのです。

「メキカゼヌ?」

「クルマヌツチ?」

とその子の漢字練習ノートを覗き込んだ私は思わず、

「あ~!」

と声に出してしまいました。

驚いて振り返ったその子に「君もやってんのか~。」と声をかけると、ぽかんとしています。

何のことだかわかりますか?

その子が練習していた漢字は「殺」という字と「軽」という字。彼は「殺」という字を4つの「パーツ」に分け、カタカナの「メ」、漢字の「木」、そして「殳」(るまた)の部分を独自に「カゼ」と「ヌ」と名づけて覚えていたのです。

2年生くらいまでは、習う漢字は1つ、あるいは2つの「パーツ」からなるものが多いのです。たとえば「組」や「晴」など(「晴」は3つと考えることもできますが)。でも3年生になると「殺」などのように今までのパターンと違ったものが出てきて、「覚えにくいぞ」となった彼は、「漢字のパーツごとに独自に名前をつけるという方法を編み出したのです。

この方法が、ホメ夫が3年生の頃(遠い昔ですが)に編み出した方法と同じだったので、思わず「お~、仲間じゃん!」と喜んでしまったわけです。

五感を頼りにものを覚えよう

人によって、何かを記憶するときの方法はさまざまです。視覚の要素が大きい人もいれば、聴覚の要素が大きい人もいます(この彼やホメ夫はこのタイプなのかもしれません)。

下村昇氏が「唱えて覚える漢字の本」という書籍を出していますが、我々のようなタイプにピッタリなのかもしれませんね。

以前お伝えしたことがありますが「◯◯だから□□という名前だ」というふうに意味をしっかり理解して覚えることはとても大切で、忘れにくいものです。「葉っぱが大きいからオオバコ(大葉子)だ」といった具合ですね。

でも、「どんな感覚を頼りにものを覚えているか」という部分に注目してみるのも、意外に効果があるものです。何度も書いて練習したのになかなか覚えられなかった漢字を、彼のように「パーツに名前をつけて唱える」ことですらすら覚えられたりするからです。

ぜひ一度試してみてください。

また別のあるとき、中学1年生が単語をブツブツ言いながら覚えているのに出くわしました。彼が念じていたのは「バセバジュウイチ」。

なんのことだかわかります?

「バゼバ11」とは、

「baseball」

のことでした(笑)。

※この記事は、「マイナビ家庭教師」Webサイトに掲載されたコラムを再編集のうえ転載したものです


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※記事の内容は執筆時点のものです

辻義夫
この記事の著者
辻義夫 専門家・プロ

中学受験情報局「かしこい塾の使い方」主任相談員

つじ よしお大手進学塾での指導経験を経て、中学受験専門プロ個別指導SS−1創設メンバーとして副代表、現在は顧問を務める。「わくわく系中学受験理科」と称される指導法、勉強法は「楽しく学べて理科系科目が知らない間に好きになってしまう」と好評。子どもの良いところをほめまくることから「辻・アインシュタイン・ホメ夫」の異名を持つ。「カレーライスの法則」「ステッカー法」など子どもが直感的に理解できて腑に落ちる解法を編み出す名人でもある。著書に『頭がよくなる 謎解き理科ドリル』(かんき出版)『中学受験 見るだけでわかる理科のツボ』(青春出版社)『中学受験 すらすら解ける魔法ワザ 理科・計算問題』(実務教育出版)などがある。

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