連載 ホメ夫先生のやる気引き出し術

5年生にも受験の試練「小5志望校診断サピックスオープン」はどうだった?|全力珍回答! ホメ夫先生のやる気引き出し術(27)

専門家・プロ
2016年9月14日 辻義夫

こんにちは。

辻・アインシュタイン・ホメ夫です。

夏休みも終わり、9月です。

夏の余韻にひたるまもなく、サピックスの5年生は8月28日(日)のマンスリーテストに続いて、その翌週、9月4日(日)には「第1回 小5志望校診断サピックスオープンテスト」が行われました。

う~ん、過酷(T_T)

さて、そのテストの内容はというと、流石に「志望校診断」というだけあって簡単ではありません。今回はガッツリ算数の話をしましょう。

「きびしめ」な問題が並んでも、焦らず確実に解ける問題を……

今回の算数の問題では、大問2あたりから「おっと……」と思わず引っかかっちゃいそうな問題も。

大問2-(2)

200mの直線上に、はしからはしまで、赤いはたと青いはたを、赤、青、赤、青、赤……と立てていくと、赤は〇〇本使います。

あるお子さんの問題用紙の余白には、「200÷5」の筆算がど~んと書かれていました。

……それでもいいんだけど、もう少し落ち着いて考えてみると、要するに赤いはたは10mおきに立てられてるんだよね?

大人なら、あるいはテストのあとの直しではそう思うんですが。。。このお子さんも、ふだんの演習時ならそのあたりに冷静に対応できる力を持っています。大きなテストの時には舞い上がってるんですよね。

その後も

大問2-(3)

3で割ると割り切れ、7で割ると3余る100にもっとも近い整数は〇〇です。

答えは108なんですが、87と答えて間違ったお子さん、多いと思います。問題には「100を超えてはいけない」なんてどこにも書いてないのに、咄嗟にそう思っちゃうんですね。

大問2-(4)

A,B,C,D,E,F,Gの7人の中から、1人の班長と2人の副班長を選ぶ方法は通りあります。

これも微妙に「自信を持って解き切る」ことが難しかったかもしれません。

班長の選び方は7通り、そして副班長は班長以外の6人から2人選びます。

たとえば班長がAなら、残りのB,C,D,E,F,Gの中から2人の副班長を選ぶわけなので、書き出しでだってできますね。

(B,C)(B,D)(B,E)(B,F)(B,G)
(C,D)(C,E)(C,F)(C,G)
(D,E)(D,F)(D,G)
(E,F)(E,G)
(F,G)

の15通りです。

班長の選び方7通りに対して、副班長の選び方が15通りあるので、7×15=105通りが正解です。

もちろん副班長の選び方は計算でも(6×5÷2=15)できますが、大切なことは「場合の数の問題は究極、書けばなんとかなる」という、いわば「自分の勝ちパターン」に持ち込めたかです。

さて、こんな「きびしめ」の問題を大問2に並べられると、お子さんは焦ります。

焦る中、なんとか取れる問題を探して確実に得点にしていかねばなりません。

こういった部分も「テストを受ける技術」のうちです。

大問3-(1)~(3)は易しく点が取りやすかったのですが、大問5以降は子どもたちにとって「はじめて見る」と感じる問題だったでしょう。

絶対に落とせない問題は解けると思って手を動かす

1つのポイントになったのは大問4。

2 , 6 , 10 , 14 , 18 , 22 , ……

2から始まって4ずつふえていく等差数列。

(1)は、250番目の数は何ですか、という問題。

これは絶対に落とせない問題だし、できたお子さんが多かったのではと思います。

2に4を249回足すという考え方でもいいですね。

問題は(2)です。

250番目までに6で割り切れる数が何個あるか、という問題。

ここでも「規則性の問題だから書き出せば……」と自信を持って書けば、

2 , [6] , 10 , 14 , [18] , 22 , 26 , [30] , 34 ,……

3個1セットのうちの真ん中が6で割り切れる、ということに気づいたお子さんは、落ち着いてテストを受けられていたのだと思います。

250÷3=83あまり1で、答えは83個ですね。

受験の気持ちに切り替える「受験の心構え」を用意しよう

はじめての「志望校診断」と冠されたテスト。

課題も成果もあったのではないかと思いますが、6年生を前に、5年生にもいよいよ入試を強く意識した模試が実施され始めたということです。

四谷大塚でも22日には「志望校判定テスト」が実施されますね。サピックスも第2回志望校診断サピックスオープンが11月に控えています。

テストを受ける前の「心構え」「ルーティン」みたいなものを用意しておくのもいいですね。

テストの朝出かけるときに、

  • 書き出しでできそうなものはしばらく書いてみる
  • 短い問題も、読み落としがないか出てきた数値には全部チェックを入れる
  • 「見たことがない」と思っているのは自分だけではないので、必要以上に焦る必要はない

といった、自分オリジナルの注意点を読み上げてから出かける、といったことを試しているお子さんも多いですね。

各塾、6年生に向けて5年生のテストは難化していきます。

ガンバレ5年生!

※この記事は、「マイナビ家庭教師」Webサイトに掲載されたコラムを再編集のうえ転載したものです


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※記事の内容は執筆時点のものです

辻義夫
この記事の著者
辻義夫 専門家・プロ

中学受験情報局「かしこい塾の使い方」主任相談員

つじ よしお大手進学塾での指導経験を経て、中学受験専門プロ個別指導SS−1創設メンバーとして副代表、現在は顧問を務める。「わくわく系中学受験理科」と称される指導法、勉強法は「楽しく学べて理科系科目が知らない間に好きになってしまう」と好評。子どもの良いところをほめまくることから「辻・アインシュタイン・ホメ夫」の異名を持つ。「カレーライスの法則」「ステッカー法」など子どもが直感的に理解できて腑に落ちる解法を編み出す名人でもある。著書に『頭がよくなる 謎解き理科ドリル』(かんき出版)『中学受験 見るだけでわかる理科のツボ』(青春出版社)『中学受験 すらすら解ける魔法ワザ 理科・計算問題』(実務教育出版)などがある。

中学受験情報局「かしこい塾の使い方」 https://www.e-juken.jp/

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