連載 ホメ夫先生のやる気引き出し術

音声学習「耳勉」の時代が再び。使わなくなったスマホ活用しませんか?|全力珍回答! ホメ夫先生のやる気引き出し術(29)

専門家・プロ
2016年12月27日 辻義夫

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こんにちは。辻・アインシュタイン・ホメ夫です。

12月。すっかり寒くなりました。

入試も近づいています。

6年生のお子さんたちは、いよいよ緊張感が高まってきているでしょう。

さて今回は、「耳勉」つまり音声による学習について考えてみたいと思います。

行き帰りの車中でテキスト音声を聞かせ続け、トップクラスの成績になった子も

ホメ夫が小さかった頃、当時カセットテープが最新で(年令がばれますな)、なんてことのない日常の家族の会話を録音したものが残っていたりするのですが、カセットテープの時代は、みんなが「自分で録音する」ということが、ごく普通のことでした。

時は流れ、カセットテープはあまり使われなくなり、「自分たちの声を録音する」ということがなくなります。CD全盛の時代ですね。

そんな中、CDに自分の声を吹き込み続けたお父さんがいました。当時6年生、K君のお父さんです。塾の社会のテキストを読み上げ、パソコンにとりこんでCDに記録し、塾(ホメ夫が在籍するSS-1という個別指導教室)への行き帰り、送迎に使うマイカーのカーステレオでお子さんに聞かせ続けたそうです。

すると……。

Kくん、社会に関しては塾の模擬テストでも毎回トップクラスに。他教科はともかく、社会はどんな難関校の入試問題でも合格点どころか、満点に近い点数を取るほど得意になったんです。社会の先生も顔負けです。

「隙間時間活用法」として「耳勉」は非常に有効

この話。ウソみたいですが、ホントの話です。

というか、あまりに社会の成績が突出して良いので、面談のときにお父さんに聞いたら、教えてくれたのです。

みんながみんな、こうなるとは限らないですし、このお父さんも相当努力、工夫されたようです。はじめは「車内でテキストを読ませると乗り物酔いする」ということで、単にテキストに書いてあることを読み上げ録音するようになったようですが、だんだんKくんも耳が肥え、お父さんの読み上げ技術も上がり、そして社会科の知識も増えていったそうです。もちろん行き帰りの車内は「社会ネタ」でもちきり。

移動時間が長い子にとっては非常に有効な勉強法、かなりいい「隙間時間活用法」です。

特に聴覚が敏感な子(聴覚優位者)には、爆発的な学習効果をもたらす可能性がある「耳勉」。お子さんがCMソングをすぐに覚えちゃうとか、口ずさんじゃうような子だったら、試してみて損はない、いや、使わない手はないと思います。

お子さんにスマホを持たせるかどうかで議論になっていることがありますが、もう使わなくなったスマホなら、ぜひ持たせてあげたいものです(通信できないスマホなんていらないよってお子さんは言うかもしれませんが)。使い方は簡単。塾のテキストからぜひ暗記しておかなければならないものを、お子さん自身が暗唱して録音し、聞くようにするだけ。Kくんのように、録音はお父さんやお母さんでもいいですね。

不要なスマホは「耳勉」に最適なツール!そのほかの記録媒体としても

スマホは「耳勉」の他にも、記録用として活用できます。お出かけ先で見かけた植物など、写真に撮っておけば後で植物名を調べられるし、静かな場所だったら鳥の鳴き声だって録音できます。「記録」という習慣がつけば、あとで調べ学習をするだけで自由研究なんかもすぐに仕上がってしまいますね。

この「不思議に思ったらすぐに記録する」という習慣も、つけさせておいて損はありません。

さて、数年前にホメ夫は理科の替え歌を十数曲作り、それをアマチュアのピアノ奏者、歌手の方に演奏してもらったことがあるのですが(もちろんCDに記録してあります)、今回は最後にその中の一曲、「完全変態」をご紹介したいと思います♪

歌ってみたいという方は、童謡「かたつむり」のメロディーに乗せ、歌唱をお願いいたします。当時Kくんが口ずさんでいたものにヒントを得て作詞したため、Kくんに敬意を込めて……。

「完全変態」

作詞 Kくん

テントウムシムシ カブトムシ

モンシロチョウに アゲハチョウ

アリだって ハチだって さなぎになる♪

完全変態って いうんです

おかしな おじさんの ことじゃない

ノミだって ハエだって さなぎになる♪

……なかなかいいでしょ?

皆さんも一曲「作詞」いかがです?(^^)

※この記事は、「マイナビ家庭教師」Webサイトに掲載されたコラムを再編集のうえ転載したものです


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※記事の内容は執筆時点のものです

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