中学受験の新御三家とは? 各学校の特徴を元塾講師の視点でまとめました
中学受験の志望校選びでたびたび目にする「新御三家」という言葉。御三家に続く3校を指しますが、偏差値や人気は入れ替わりが激しく、すでに新御三家という呼び名もあまり使われなくなっています。
とはいえ志望校を決定するうえで気になってしまいますよね。各学校の特徴と元国語講師の視点でまとめました。
御三家とは?
新御三家を語るうえで外せないのは御三家の存在です。東大合格者の多かった私立男子校「開成・麻布・武蔵」の3校を指し、人気と実績のある憧れの学校として知られています。
開成と麻布は安定して高偏差値を保っていますが、現在は偏差値でも東大合格者数でも武蔵がやや下がっています。それでも御三家という呼び名に含まれる学校に入れ替わりはありません。
女子にも御三家がある
男子と同じように、女子校にも御三家と呼ばれる3校があります。「桜蔭・女子学院・雙葉」です。桜蔭が偏差値、実績ともに群を抜いており、女子高のなかでは文句なしのトップ校と言えます。現在はこの女子御三家に加え、豊島岡が躍進していることにも注目です。
新御三家とは?
御三家をしのぐ勢いのある3校「駒東(駒場東邦)・海城・巣鴨」が新御三家と呼ばれています。
「新」とついていますが、御三家にとってかわるということではありません。御三家はそのままでそこに追いつけ追い越せと迫る3校という認識です。
駒東が偏差値も実績も御三家に肉薄しており、現在は新御三家というくくりで呼ばれることは少なくなっています。
さらに「暁星・芝・早稲田」を指して準御三家という呼び名も存在します。とはいえ、どの学校を指すのかにもさまざまな意見があり、こちらも御三家ほど定着はしていません。
※ここで言及する偏差値は四谷大塚80偏差値(2018年入試結果)を参考にしています
駒場東邦中学校
新御三家の中では頭ひとつ飛び出している駒東は、御三家の武蔵の地位を脅かす存在となっています。
陸上部やバスケ部など、部活動も活発です。水泳部が文化祭に行う男のシンクロ「ウォーターボーイズ」も人気で、文化祭の雰囲気に魅力を感じて志望する子供も多いとか。
駒東の国語は大問ひとつというのが特徴です。タイプとしては麻布に近いのですが、選択問題も複数あるため記述一辺倒の対策では不十分です。また、漢字の書き取りも毎年15問出題されています。
2月1日受験の偏差値は64。ここ数年の東大合格者数は毎年50人ほどです。
海城中学校
新大久保駅から徒歩5分という好立地の海城中学校は、前身の海軍予備校を含めると120年を超える歴史を持つ学校です。
医学部への進学に強いのも海城の特徴です。また男子校には珍しく競技かるた部があり、2018年の全国高校小倉百人一首かるた選手権大会では団体戦全国4位という好成績を収めています。
海城の国語はベーシックな大問2つというタイプで記述は少なめ。物語文と論説文(エッセイ)という組み合わせが定番です。漢字は毎年5問出題されています。
2月1日受験の偏差値は63、2月2日受験の偏差値は65。ここ2年は50人に迫る数の東大合格者を送り出しています。
巣鴨中学校
100年を超える歴史を誇る巣鴨中学校は、2016年に建て替えが完成した新校舎も好評です。「強歩大会」や「早朝寒稽古」といった学校独自の伝統行事からも、強くたくましい男を育てるという校風が伝わります。
入試において注目なのは、2019年度より2月1日午後に算数選抜試験が行われること。試験科目は算数のみという、最近急増している新しい形式の試験です。
巣鴨の国語は大問3つの構成です。まず漢字の書き取りが10題、続いて長文読解が2つ続きます。物語文は出題されず、論説文や随筆文のみからというのも特徴です。
2月1日受験の偏差値は52、2月2日受験の偏差値は54。東大合格者数はここ数年、毎年10人を超えています。
まとめ
固定化している御三家でも、偏差値や進路を見ると一概にトップ3とも言うことはできません。新御三家にいたっては駒東が抜きんでていることもあり、現在はあまり意識されていないように感じます。
とはいえ3校とも人気も実績もある学校です。志望校選びの参考にしてみてくださいね。
※記事の内容は執筆時点のものです
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