学習 連載 中学受験のツボ[算数編]

【小6算数/文章題】つるかめ算・不定方程式の見極めと解法|中学受験のツボ[算数編]

専門家・プロ
2024年9月14日 杉本啓太

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保護者向けに中学受験の4教科のツボを解説
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国語理科社会

こんにちは。
株式会社ORA-Trio杉本です。

今回のテーマは「不定方程式と3段つるかめ算」。

受験生が混同しがちな、2種類の問題について解説します。

 

この2種類の問題は、問題文や条件が非常に似ています。不定方程式にたったひとつ条件が加わるだけで、3段つるかめ算の問題となります。

ただし、解くときに必要な解法は、実はまったく異なります。

つまり、「問題文の条件の確認と、解法の判別」が非常に大切なポイントになるのです。

それぞれの問題の条件を理解したうえで、「今回はどちらの問題か」を正確に判断し、解き始められるようにしておきたいですね。

不定方程式の条件と解法

まずは「不定方程式」について解説します。

以下の例題を見てください。

例題1

おかしが2個入った袋A、4個入った袋B、7個入った袋Cが合わせて30個あります。おかしの数は全部で148個です。袋Aは何個あるでしょうか。考えられるすべての数を答えなさい。

 

3つの数(ひとつの袋あたりのおかしの数)があり、それぞれにかける値(袋の個数)の合計と、積の合計(おかしの数)がわかっている、という状態です。

不定方程式と呼ばれ、答えが複数考えられる場合があります

 

このような問題は、3段の面積図で解くのがおすすめです。

タテ……ひとつの袋あたりのおかしの数
ヨコ……袋の個数

として面積図を描くと、以下のようになります。

 

 

ここで、いちばん下の段の長方形を切り取ると、その部分の面積は 2×30=60

すると、残りの部分の面積は、148-60=88 となります。

 

この部分の縦の長さは2と5なので、「袋Bの数を◯、袋Cの数を□」と書くと、以下の式が成り立ちます。

2×◯+5×□=88

 

◯と□の和が30以下であることに注意しながら書き出していきます。

すると、◯と□の数として考えられる組み合わせは、以下の4つとなります。

◯=4、□=16
◯=9、□=14
◯=14、□=12
◯=19、□=10

 

3つの袋の数の合計は30個なので、それぞれのときの袋Aの数を求めることができます。

30-(4+16)=10個
30-(9+14)=7個
30-(14+12)=4個
30-(19+10)=1個

 

まずは、この不定方程式の解き方をしっかり身につけましょう。

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杉本啓太

杉本啓太

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株式会社ORA-Trio代表。家庭教師。灘高校から東京大学理科二類進学、同大学農学部卒業。大学時代は社会教育団体にて子どもの教育支援に携わりつつ、家庭教師・塾講師としても活動。卒業後は外資・日系コンサルティングファームに勤務しながら、土日は家庭教師としての活動を継続。その後プロ家庭教師として独立。学科指導だけでなく、学習の計画策定・環境作り・親御様の関わり方・生徒の性格起因の課題など、抽象的な問題の整理と解決を得意とする。2023年2月、模試結果分析を中心とした家庭学習コンサルティングを手掛ける株式会社ORA-Trioを設立。