【小6算数/規則性】空きビンでジュースがもらえる問題のコツ|中学受験のツボ[算数編]
髭之教育会代表の有賀です。
中学受験の算数を20数年にわたって教えてきましたが、昔と比べて、いまの問題は確実に難度が上がっています。
十数年前にはめずらしい問題も、いまでは頻出の問題になっているものも多々あります。
今回はそんな問題のひとつとして、「空きビンをジュースと交換する問題」について説明します。
書かれている「条件」と「状況」を把握する
近年の入試問題は、パターン学習では対応しにくい問題が増えています。単純に公式や解法に当てはめるだけでは、対応が難しい問題も多く見られるようになりました。
そのような問題を解く際に必要なことは、「与えられた条件」と「聞かれている状況」を正確に把握することです。
どちらかと言えば、国語の“読解力”に近い学力ですね。細かな部分まで意識しながら、問題文を精読することをおすすめします。
この学力の訓練として「空きビンをジュースと交換する問題」は非常に有効です。
飲んだ本数なのか? 買った本数なのか?
では、実際の問題を使って考えてみます。
【問題】
ジュースの空きビンを4本持っていくと、ジュース1本と交換してもらえます。
次の問いに答えてください。
(1)ジュースを50本飲むには、何本のジュースを買えばいいですか。
(2)ジュースを50本買ったら、全部で何本のジュースを飲むことができますか。
まずは、与えられた条件を考えます。
条件は「空きビンを4本持っていくと、ジュース1本と交換」の部分です。
これは、ジュースを4本買うと5本飲めるということです。さらに、もらったジュース1本は空きビンとして使えることも表しています。
もらったジュースも空きビンになることが、この問題のポイントです。
次に、聞かれている状況を把握します。
(1)の問題
飲むことができるジュースの合計が50本
=□本(買ったジュース)+もらったジュース
=50本
(2)の問題
「買ったジュースの合計が50本」
=50本(買ったジュース)+もらったジュース
=□本
丁寧に読まないと間違えてしまう子もいます。
違いを意識しながら読むと、わかりやすいでしょう。
そのまま図にするのも効果的
条件と状況を理解したうえで、解答を導き出します。
式や表で内容を整理するのは、もちろん正攻法の解法です。もし、それではうまく処理できないときにはどうすれば良いでしょうか?
聞かれている状況を、そのまま図(絵)にしてみましょう。
(1)の問題の図はこのようになります。
空きビン(買ったジュース):×
もらったジュース:○
で表してあります。
1段は4本で区切ってあります。これは、4本で1本もらえるからです。
もらった1本は、次の段の1本目になります。
まずはここまで整理します。
次に4本ずつの段数を考えます。
「全部で50本」なので、
50個÷4個=12段あまり2本
(1段は○が1個と×が3個で4個)
ここまで図にしてしまうと、わかりやすくなると思います。
聞かれているのは買ったジュースなので「×の個数」を出します。
3個×12段=36個
36個+2個=38個
(左上の最初の1個と最後の段の1個を加える)
(1)の答え:38本
(2)の問題の図はこのようになります。
今度は「買ったジュースが50本」なので、×が50個ある場合を考えます。
50個-1個
=49個(左上の最初の1個を取る)
49個÷3個
=16段あまり1個(買ったジュースのみなので×が3個)
4個×16段
=64個(全部の本数なので1段は4個)
64個+2個
=66個(最後の段の2個を加える)
(2)の答え:66本
まとめ
解法の暗記はとても大切です。反復練習することで、解法の正確さも上がっていきます。
ですが、解法を知らなくても、工夫すれば答えを導き出せることもあります。状況を絵にしてみるのも、答えを出す工夫のひとつです。
あきらめずにいろいろ試して、粘り強くがんばってください!
※記事の内容は執筆時点のものです
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