学習 連載 中学受験のツボ[算数編]

【小6算数/規則性】空きビンでジュースがもらえる問題のコツ|中学受験のツボ[算数編]

専門家・プロ
2024年8月30日 有賀隆夫

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保護者向けに中学受験の4教科のツボを解説
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国語理科社会

髭之教育会代表の有賀です。

中学受験の算数を20数年にわたって教えてきましたが、昔と比べて、いまの問題は確実に難度が上がっています

十数年前にはめずらしい問題も、いまでは頻出の問題になっているものも多々あります。

今回はそんな問題のひとつとして、「空きビンをジュースと交換する問題」について説明します。

書かれている「条件」と「状況」を把握する

近年の入試問題は、パターン学習では対応しにくい問題が増えています。単純に公式や解法に当てはめるだけでは、対応が難しい問題も多く見られるようになりました。

そのような問題を解く際に必要なことは、「与えられた条件」と「聞かれている状況」を正確に把握することです。

どちらかと言えば、国語の“読解力”に近い学力ですね。細かな部分まで意識しながら、問題文を精読することをおすすめします。

この学力の訓練として「空きビンをジュースと交換する問題」は非常に有効です。

 

飲んだ本数なのか? 買った本数なのか?

では、実際の問題を使って考えてみます。

【問題】
ジュースの空きビンを4本持っていくと、ジュース1本と交換してもらえます。

次の問いに答えてください。

(1)ジュースを50本飲むには、何本のジュースを買えばいいですか。
(2)ジュースを50本買ったら、全部で何本のジュースを飲むことができますか。

 

まずは、与えられた条件を考えます。

条件は「空きビンを4本持っていくと、ジュース1本と交換」の部分です。

これは、ジュースを4本買うと5本飲めるということです。さらに、もらったジュース1本は空きビンとして使えることも表しています。

もらったジュースも空きビンになることが、この問題のポイントです。

 

次に、聞かれている状況を把握します。

(1)の問題
飲むことができるジュースの合計が50本
=□本(買ったジュース)+もらったジュース
=50本

(2)の問題
「買ったジュースの合計が50本」
=50本(買ったジュース)+もらったジュース
=□本

 

丁寧に読まないと間違えてしまう子もいます。

違いを意識しながら読むと、わかりやすいでしょう。

 

そのまま図にするのも効果的

条件と状況を理解したうえで、解答を導き出します。

式や表で内容を整理するのは、もちろん正攻法の解法です。もし、それではうまく処理できないときにはどうすれば良いでしょうか?

 

聞かれている状況を、そのまま図(絵)にしてみましょう

 

(1)の問題の図はこのようになります。

空きビン(買ったジュース):×
もらったジュース:○

で表してあります。

1段は4本で区切ってあります。これは、4本で1本もらえるからです。

もらった1本は、次の段の1本目になります。

まずはここまで整理します。

 

次に4本ずつの段数を考えます。

「全部で50本」なので、
50個÷4個=12段あまり2本
(1段は○が1個と×が3個で4個)

ここまで図にしてしまうと、わかりやすくなると思います。

 

聞かれているのは買ったジュースなので「×の個数」を出します。

3個×12段=36個
36個+2個=38個
(左上の最初の1個と最後の段の1個を加える)

(1)の答え:38本

 

(2)の問題の図はこのようになります。

今度は「買ったジュースが50本」なので、×が50個ある場合を考えます。

50個-1個
=49個(左上の最初の1個を取る)

49個÷3個
=16段あまり1個(買ったジュースのみなので×が3個)

4個×16段
=64個(全部の本数なので1段は4個)

64個+2個
=66個(最後の段の2個を加える)

 

(2)の答え:66本

 

まとめ

解法の暗記はとても大切です。反復練習することで、解法の正確さも上がっていきます。

ですが、解法を知らなくても、工夫すれば答えを導き出せることもあります。状況を絵にしてみるのも、答えを出す工夫のひとつです。

あきらめずにいろいろ試して、粘り強くがんばってください!

※記事の内容は執筆時点のものです

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