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受験親1年目 4年生の親がすべきフォローは?|中学受験は親と子の協同作業! 正しい理解がはじめの一歩 Vol.33

専門家・プロ
2019年5月16日 石渡真由美

4年生は、中学受験の勉強がスタートして3カ月が経ちました。塾の生活にも慣れてきた頃ではないでしょうか。4年生のうちは、塾の授業で習う内容も基礎が中心。本格的な受験勉強が始まるのは5年生からです。ここでは、4年生のうちに親御さんにやって欲しいことをお伝えします。

週単位で予定を立て、具体的にやるべきことを決める

3年生の2月から塾通いが始まり、中学受験生活がスタートしました。GWまでは授業もそれほど進まず、今からお手上げという子は少ないと思いますが、これから徐々にハードになっていきます。そこで、今のうちに習慣化しておきたいことがあります。

まず、1週間単位で学習計画を立てておくことです。学習計画は子どもだけでは立てられないので、親御さんが中心となって進めていきましょう。大手進学塾では年間のカリキュラムが決められており、いつどの単元を学習するかが明確になっています。そこで1週間分の毎日の学習計画を立てておきます。

例えば、○月○日は算数の計算と復習、社会のまとめ、といった感じでその日にやるべきことを決めておきます。ただし、ピックアップするだけでは不十分。何のテキストを使って、どのようにやるかまで決めておくことが大事です。

4年生の現段階では、学習内容も難しくなく、宿題は子どもだけでも進められます。しかし、子どもはその日の気分によって、遊びたいから早く終わらせようと雑な字で書いたり、「まぁこのくらいならいいか」と丸付けを適当にしたりします。一度そういう癖がついてしまうと、あとから直すのは難しくなりますので、4年生のうちは親御さんがついて一緒に進めていくようにしましょう。

塾は新しい単元の内容やその解き方は教えてくれますが、ノートの書き方や復習の仕方といった、勉強のやり方までは教えてくれません。復習ノートに書くときは、まずはその日の日付を書くこと。問題と答えのほかに、間違えた原因や、覚えるときのポイントに印をつけると定着しやすいなど、正しい勉強のやり方を親御さんが教えてあげましょう。

宿題は基本全部やる。ただし終わらせることを目的にしない

4年生のうちは、塾からの宿題はまだ少なく、内容も基礎のため、基本的に全部やるようにしてください。ただし、やり終えることが目的になってしまわないように気をつけましょう。

例えば理科や社会は、クラスによっては授業中にすべての内容が終わらないことがあります。しかし、宿題や確認テストではテキストの全内容から出題されます。宿題を終わらせることが目的になってしまうと、理解が不十分のまま取り組むことになります。それでは意味がありません。宿題をするときは、まずテキストのその単元のページすべてに目を通し、理解をしたうえで取り組むようにしましょう。

また、算数を解くときは、ただ公式に数字を当てはめるのではなく、「なぜそうなるのか?」納得して解くことが大事です。これを怠ってしまうと、5年生なって応用問題を解くときに太刀打ちできなくなってしまいます。納得して理解できたかどうかを見極めるには、子どもになぜそうなるのかを説明させるといいでしょう。そのときに、しどろもどろだと、きちんと理解できていない可能性があります。

まだ余裕のある4年生。でも空いている時間を勉強で埋めるのはNG

4年生のうちは塾に行く日も週2日〜3日と少なく、それほど負担はありません。「中学受験は大変!」と聞いていたのに、実際はそうでもないな、と思った親御さんもいるかもしれませんね。でも、時間があるからといって学習量を増やしたり、先取り学習をしたりするのはおすすめしません。

4年生のうちは受験勉強以外のことをたくさんさせてあげてください。土日のどちらかは丸一日完全にフリーな日をつくりましょう。そこで、親子でお菓子作りをしたり、庭の草むしりをしたりするなど、生活に基づいた知識を増やしてあげてください。この知識がのちの勉強につながることがあります。

また、家族で博物館や科学館などに行ってみるのもいいでしょう。そのとき、あまり勉強を意識させず、楽しむことが大事です。特に親御さんが「これはすごい!」「なるほど」など興味を示すと、お子さんも興味を持って見るようになります。子どもは親の声かけによって意識して見るようになります。博物館に連れて行くだけでは興味を示しません。展示物を見るときは「これってどうなっているんだろうね?」など一緒に不思議がって見ることが大事です。

4年生の親の役割は、子どもに学習習慣をつけさせること、正しい勉強のやり方を教えてあげること、そして子どもの興味を広げてあげることです。

5年生になると塾の勉強が忙しくなり、親も子も余裕がなくなってきます。比較的余裕のある今のうちにこれらのことをやっておきましょう。4年生の過ごし方が、今後の受験勉強をうまく乗り越えていけるかのカギを握ります。

※記事の内容は執筆時点のものです

西村則康
西村則康 専門家・プロ

プロ家庭教師集団「名門指導会」代表
中学受験情報局「かしこい塾の使い方」主任相談員

にしむら のりやす日本初の「塾ソムリエ」としても活躍中。40年以上中学・高校受験指導一筋に行う。コーチングの手法を取り入れ、親を巻き込んで子供が心底やる気になる付加価値の高い指導が評判。暗記や作業だけの無味乾燥な受験学習では効果が上がらないという信念から「なぜ」「だからどうなる」という思考の本質に最短で入り込む授業を実践している。また、学習指導だけでなく、受験を通じて親子の絆を強くするためのコミュニケーション術もアドバイスする。「中学受験は日常生活を犠牲にしてまで行うものではない」「主役は塾の先生や家庭教師ではなく、お子さんとご家庭だ」という「生活の延長線上の受験」を理想に掲げている。著書に『中学受験は親が9割』(青春出版社)、『中学受験基本のキ! (日経DUALの本)』(日経BP社)など、20冊を超える。

西村則康公式サイト http://www.nishimuranoriyasu.com/
名門指導会 https://www.meimon.jp/
中学受験情報局「かしこい塾の使い方」 https://www.e-juken.jp/

この記事の著者

フリーライター。子供の誕生をきっかけに、わが子の成長に合わせ、ベビー雑誌、育児・教育雑誌、塾専門誌で取材執筆。6年前に子供の中学受験を経験したものの、国立大学の附属中学で併設高校が無かったため、その3年後に“高校受験生の母”、またその3年後に“大学受験生の母”も体験。中・高・大の3つの受験を知る受験ライター。

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