連載 三田国際学園学園長 大橋清貫の「選びたい教育」

これからの学校とは|三田国際学園学園長 大橋清貫の「選びたい教育」(13)

専門家・プロ
2018年3月13日 大橋清貫

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前回、「教育界では時代の動きを先進的に取り入れ、新しい価値観に基づく学校が登場してきています。それは戻ることのできない流れです。」とまとめました。今回はこの流れについてもう少し詳しく考えていきたいと思います。

戻ることのできない流れ

前回前々回でその背景に触れました。もう少し加えれば、そう思うのは、誰もが時代の大きな動きを感じ取っているからだと思います。一部の人だけであれば、まだ先のことかもしれません。しかし、多くの方がもうわかっています。

特に、企業の第一線で活躍されている保護者の方は鋭敏です。「社会で活躍するには今迄の教育だけでは追いつかない。新たな視点の教育が必要だ。」と考えている方が多いようです。もう「戻ることのない流れ」なのです。

対応は各校によって違うものになる

各校の学校説明会などで、ニューヨーク市立大学のキャシー・デビッドソンが言う「今の小学生が社会に出る頃は65%の子が今はまだない仕事に就くことになるだろう。」といった話や、未来学者のレイ・カーツワイルが「2029年にはAIが人類の知能を超える。」といった話などを何度か耳にされたことがあるのでないでしょうか。

各校とも教育の前提が大きく変わっていくことを理解しています。ですから「従前の教育だけではこの変化に対応できない。だからこそ新しい教育を。」と力説されていると思います。

問題はどんな新しい教育を実施しようとしているかです。私は各校によって相当に違うものになると考えています。それはなぜか。各校によって今置かれている立場が異なるからです。

なぜ学校によって違うのか

これこそが鍵です。起こりうる未来、始まっている変化に対して思考力を鍛える教育が必要になっていくことを多くの学校が唱えています。

このことは実は考えられている以上に学校にとって大きなチャレンジになっていくことを意味しています。

例えばひとつの単元、項目を学ぶための指導法。今までの先生が一方的に教える教授法では学生や生徒はどうしても覚える、暗記する、試験に出た時に忘れないように努力する。まさにエビングハウスの忘却曲線との闘うことになっています。そこでは思考は希薄になり、記憶が学習の中心になってしまいがちです。

深い思考を促す教育は可能なのか

もちろん可能です。しかし、実現は容易ではありません。実現には越えなければならない、いくつものハードルがあるからです。

例えば、授業をするのは教師です。大学では学長が、中高では校長先生がいくらその気になっても、教師一人一人が本気で取り組もうと思わなければとてもできるものではありません。

一方通行型の授業に自信のある先生は「変える必要がない」と考えても不思議ではありません。それでは学校はどのようにして「今、必要とされる教育」を学生や生徒に提供しようとしているのでしょうか。学校がどのように努力しているのかを知ることは、学校選択に非常に役立つと思います。

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※記事の内容は執筆時点のものです

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