中学受験ノウハウ 連載 今一度立ち止まって中学受験を考える

何校受ける? 偏差値幅は? 後悔しない併願校の決め方|今一度立ち止まって中学受験を考える

専門家・プロ
2021年10月28日 石渡真由美

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10月も終わりに近づき、6年生の受験生はそろそろ併願校を決める時期になりました。第一志望校は決まっているけれど、併願校はいくつくらい用意しておけばいいのか。偏差値幅はどのくらい持っておくと安心なのか。午後入試も受けさせるべきなのか……。など、いろいろと迷うことがあるでしょう。今回は併願校を選ぶうえでの注意点をお伝えします。

2月1日の入試で必ず合格を1校取る!

中学受験をするのであれば、できるだけ偏差値の高い学校へ入れたいと、多くの親御さんは考えます。しかし、私は偏差値の高さだけで学校を選ぶことには反対です。学校を選ぶ際に忘れてはいけないのが、「お子さんにとってのベスト」かどうかです。偏差値表を見比べる前に、まずは自宅から30分〜1時間範囲で行ける場所にどんな学校があるのか再確認されることをおすすめします。(お子さんが4、5年生であれば、今のうちに確認しておきましょう)

家から近いと通学の負担が減り、そのぶん自由な時間を得られるメリットがあります。通学時間が30分短いだけで、6年間で1800時間も節約できるのです。6年間通うことを考えると、あながち無視できないポイントだと私は考えています。「第一志望校はすでに決まっている」という場合も、併願校を選ぶ際は、知名度や偏差値帯だけで選ぶのではなく、家の近くにある学校はどこか押さえておくべきでしょう。

首都圏の中学入試は2月1日〜3日の3日間に集中します。この期間をうまく乗り越えていくためには、初日となる(肩慣らしとして受ける1月入試は別と考えます)2月1日の入試で必ず1校合格を勝ち取ることです。

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宮本毅

宮本毅

  • 専門家・プロ

1969年東京生まれ。武蔵中学・高等学校、一橋大学社会学部社会問題政策過程卒業。大学卒業後、テレビ番組制作会社を経て、首都圏の大手進学塾に転職。小学部および中学部で最上位クラスを担当し、多数のトップ中学・高校に卒業生を送り込む。2006年に独立し、東京・吉祥寺に中学受験専門の「アテナ進学ゼミ」を設立。科目間にある垣根は取り払うべきという信念のもと、たった一人で算数・国語・理科・社会の全科目を指導している。また「すべての子どもたちに自発学習を!」をテーマに、月一回の公開講座を開催し、過去3年間でのべ2000名近くを動員する。若い頃からの変わらぬ熱血指導で、生徒たちの「知的好奇心」を引き出す授業が持ち味。YouTubeチャンネル「アテナチャンネル」を運営。

■著書

『はじめての中学受験 これだけは知っておきたい12の常識』(ディスカヴァー・トゥエンティーワン)『中学受験 同音異義語・対義語・類義語300』(中経出版)『文章題最強解法メソッド まるいち算』(ディスカヴァー・トゥエンティーワン)『中学受験 ゴロ合わせで覚える理科85』(KADOKAWA出版)『中学受験 ゴロ合わせで覚える社会140』(KADOKAWA出版)『ケアレスミスをなくせば中学受験の9割は成功する』(KADOKAWA出版)『合格する子がやっている 忘れない暗記術』(かんき出版)

石渡真由美

  • この記事の著者

フリーライター。子供の誕生をきっかけに、わが子の成長に合わせ、ベビー雑誌、育児・教育雑誌、塾専門誌で取材執筆。6年前に子供の中学受験を経験したものの、国立大学の附属中学で併設高校が無かったため、その3年後に“高校受験生の母”、またその3年後に“大学受験生の母”も体験。中・高・大の3つの受験を知る受験ライター。