中学受験ノウハウ 連載 今一度立ち止まって中学受験を考える

塾の授業を集中して聞くためのコツは?|今一度立ち止まって中学受験を考える

専門家・プロ
2022年7月07日 石渡真由美

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塾に通っているのに、成績が一向に上がらない。もしかすると、その原因は授業をただ聞いているだけで、内容を理解できていないことにあるかもしれません。どのような姿勢で授業に臨めばよいのでしょうか? ご家庭でできることとは。

授業に集中できない子をフォローできない塾の事情

よく「うちの子、塾に通っているのに、成績が全然上がらないんです。どうしたらいいのでしょうか?」というご相談を、親御さんから受けます。

前提として、塾の授業をきちんと聞いていない子は、成績が上がりません。ここでいう「聞く」とは、「ただ聞く」ではダメ。内容を吟味して理解することが「授業を聞く」ということです。私の塾では、1クラス10人前後なので、誰が授業をきちんと聞いていて、誰がただ聞いているだけなのかすぐわかります。ただ聞いているだけの子には注意をしたり、質問を投げかけたりして、授業に集中するように促しています。

ところが、大手進学塾のように1クラスに20人以上の子どもがいる場合、塾の先生は「ちゃんと聞いているか」のチェックをしてくれないことが多いです。なぜかというと、大手塾のカリキュラムは「この日に、この単元を教える」とあらかじめ決められているので、先生はその日のうちに授業を終わらせなければならないからです。そうなると授業に集中していない子に先生が関与できる余裕がなく、授業を聞いていない子は放置されたままになってしまうのです。

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宮本毅

宮本毅

  • 専門家・プロ

1969年東京生まれ。武蔵中学・高等学校、一橋大学社会学部社会問題政策過程卒業。大学卒業後、テレビ番組制作会社を経て、首都圏の大手進学塾に転職。小学部および中学部で最上位クラスを担当し、多数のトップ中学・高校に卒業生を送り込む。2006年に独立し、東京・吉祥寺に中学受験専門の「アテナ進学ゼミ」を設立。科目間にある垣根は取り払うべきという信念のもと、たった一人で算数・国語・理科・社会の全科目を指導している。また「すべての子どもたちに自発学習を!」をテーマに、月一回の公開講座を開催し、過去3年間でのべ2000名近くを動員する。若い頃からの変わらぬ熱血指導で、生徒たちの「知的好奇心」を引き出す授業が持ち味。YouTubeチャンネル「アテナチャンネル」を運営。

■著書

『はじめての中学受験 これだけは知っておきたい12の常識』(ディスカヴァー・トゥエンティーワン)『中学受験 同音異義語・対義語・類義語300』(中経出版)『文章題最強解法メソッド まるいち算』(ディスカヴァー・トゥエンティーワン)『中学受験 ゴロ合わせで覚える理科85』(KADOKAWA出版)『中学受験 ゴロ合わせで覚える社会140』(KADOKAWA出版)『ケアレスミスをなくせば中学受験の9割は成功する』(KADOKAWA出版)『合格する子がやっている 忘れない暗記術』(かんき出版)

石渡真由美

  • この記事の著者

フリーライター。子供の誕生をきっかけに、わが子の成長に合わせ、ベビー雑誌、育児・教育雑誌、塾専門誌で取材執筆。6年前に子供の中学受験を経験したものの、国立大学の附属中学で併設高校が無かったため、その3年後に“高校受験生の母”、またその3年後に“大学受験生の母”も体験。中・高・大の3つの受験を知る受験ライター。