中学受験ノウハウ 学習 連載 今一度立ち止まって中学受験を考える

いつまでも算数の難問にこだわり過ぎてしまう子……、どうするべき?|今一度立ち止まって中学受験を考える

専門家・プロ
2022年8月04日 石渡真由美

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中学受験で、算数は重要な科目です。そのため子ども達は、算数の勉強に多くの時間を費やすことになります。しかし、すぐには解けない難しい問題を前にしたときが悩みの種です。その問題が解けるまで子どもに粘らせるべきか、あきらめて次に進ませるべきか迷うところですよね。

学習時間は有限。難問への執着、6年生は時期で判断を

よく、中学受験は「算数の成績で決まる」と言われます。たしかに中学受験で算数は重要な科目です。実際、塾の授業でも多くの時間をかけて指導しています。しかし、ひとつ忘れてはならないのは、中学入試の合否は4教科の総合点で決まるということです。算数が得意なほうが、有利になることは事実ですが、バランスは無視できないということです。ですから、算数「だけ」に執着するのはおすすめしません。

算数の難しい問題に向かって粘り強く考える姿勢自体は、とても素晴らしいことだと思います。しかし、中学受験には入試というゴールがあり、学習時間は有限です。そこで、ひとつの目安として6年生の9月を区切りに、勉強の取り組み方を変えていくことをおすすめします。

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宮本毅

宮本毅

  • 専門家・プロ

1969年東京生まれ。武蔵中学・高等学校、一橋大学社会学部社会問題政策過程卒業。大学卒業後、テレビ番組制作会社を経て、首都圏の大手進学塾に転職。小学部および中学部で最上位クラスを担当し、多数のトップ中学・高校に卒業生を送り込む。2006年に独立し、東京・吉祥寺に中学受験専門の「アテナ進学ゼミ」を設立。科目間にある垣根は取り払うべきという信念のもと、たった一人で算数・国語・理科・社会の全科目を指導している。また「すべての子どもたちに自発学習を!」をテーマに、月一回の公開講座を開催し、過去3年間でのべ2000名近くを動員する。若い頃からの変わらぬ熱血指導で、生徒たちの「知的好奇心」を引き出す授業が持ち味。YouTubeチャンネル「アテナチャンネル」を運営。

■著書

『はじめての中学受験 これだけは知っておきたい12の常識』(ディスカヴァー・トゥエンティーワン)『中学受験 同音異義語・対義語・類義語300』(中経出版)『文章題最強解法メソッド まるいち算』(ディスカヴァー・トゥエンティーワン)『中学受験 ゴロ合わせで覚える理科85』(KADOKAWA出版)『中学受験 ゴロ合わせで覚える社会140』(KADOKAWA出版)『ケアレスミスをなくせば中学受験の9割は成功する』(KADOKAWA出版)『合格する子がやっている 忘れない暗記術』(かんき出版)

石渡真由美

  • この記事の著者

フリーライター。子供の誕生をきっかけに、わが子の成長に合わせ、ベビー雑誌、育児・教育雑誌、塾専門誌で取材執筆。6年前に子供の中学受験を経験したものの、国立大学の附属中学で併設高校が無かったため、その3年後に“高校受験生の母”、またその3年後に“大学受験生の母”も体験。中・高・大の3つの受験を知る受験ライター。