学習 連載 中学受験のツボ[算数編]

【小6算数/平面図形】図形を描く順番の考え方と手順|中学受験のツボ[算数編]

専門家・プロ
2022年9月21日 杉本啓太

保護者向けに中学受験の4教科のツボを解説。 算数編 杉本啓太先生有賀隆夫先生が担当します。
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国語理科社会

こんにちは、杉本です。

今回のテーマは、「図形を描く順番の考え方」です。

先月の記事「問題を解くヒントは「図形を描く順番」にあり」で「複雑な問題を解くときには、図形を描く順番を意識するのが有効な場合がある」とお話ししました。

今回はその具体的な方法について、例題を解きながら「最初に引く直線はどれかな?」と、具体的な手順を解説していきます。

ぜひご家庭でも、お子さんと一緒に実際に図を描きながら「ああ、この図はこういう順番で描かれたんだ!」と実感してもらえればと思います。

「最初に与えられる図」から一つひとつ直線や点を追加しよう

まずは、長さを求めるところは考えず、図を描く順番を考えるトレーニングだけやってみましょう。

そのときに気を付けてほしいのは、以下の3点です。

① 「最初に与えられる図は何か」を確認する
② 直線や点は一つひとつ追加する
③ 直線を引くときは「すでにある2点を結ぶ」ことを意識する

以下の問題を見てください。

例題1


※今回はトレーニングなので、文中の「AH:HIの比を求めなさい。」の部分は一旦置いておいてください。

この問題の場合は、

最初に与えられる図:平行四辺形ABCD、点E
追加で引かれた線:AC、BE、DF、BG

となります。

では、平行四辺形ABCDが描かれた状態から問題の図が完成するまでには、どのような手順で描いていけばよいでしょうか?

例題1の完成図と見比べながら、以下の解説を読んでみてください。さらに、実際にノートなどに描いてみるとよいでしょう。

手順1:平行四辺形ABCDと点Eが与えられる(図1)。

手順2:AC、BEを直線で結び、交わった点(以下、交点と表記)を点Hとする(図2)。

手順3:次に、HができたのでDHを引くことができる。DとHを直線で結び、その延長と辺ABの交点が点Fとなる(図3)。

手順4:最後に、Bを通りDFと平行な直線を引き、その直線とAC、DCとの交点がI、Gとなる。

ノートに例題1の図が描けたでしょうか?

点と点を結んで直線を引いたのか、直線を引いた結果として新しい点ができたのか……などなど、理由と結果を確認しながら取り組んでみてください。

実際に図を描く順番を確認しながら長さを求めてみよう

もう 1問、例題にチャレンジしてみましょう。

今度は図を描きながら必要な長さも求めていき、実際に問題の答を出すことがゴールです。

例題2

少し難易度の高い問題ですね。「3つの正方形だけ与えられた状態から自分がこの図を描くなら、どのような順番で線を引いていくかな?」と考えてみてください。

図を描く順番は以下のようになります。

(1)BFを直線で結び、DGとの交点をLとする
(2)点Eと点Lを直線で結び、その延長とIHとの交点をMとする
(3)点Gと点Mを直線で結び、その延長とCDとの交点をKとする

そして、描く順番と同じ順番で長さも求めていけば良いですね。計算も含めた解答例は以下のとおりです。

(1)BFを直線で結び、DGとの交点をLとする

三角形BDLと三角形BEFは相似、相似比はBD:BEから9:18=1:2とわかるので、DL=9÷2=4.5cm、となる。

(2)点Eと点Lを直線で結びその延長とIHとの交点をMとする

三角形EDLと三角形MHLは相似、LH=DHーDL=5ー4.5=0.5cmとなる。相似比はDL:LHから4.5:0.5=9:1とわかるので、MH=9÷9=1cmとなる。

(3)点Gと点Mを直線で結びその延長とCDとの交点をKとする

三角形GMHと三角形GKDは相似、相似比はGH:GDから4:9とわかるので、KD=1×(9÷4)=2.25cm、となる。

よって、例題2の答えは以下となります。

解答:
BK=BD-KD=9-2.25=6.75cm

図形を描く順番を意識することが「複雑な図形だけど、どこから求めよう」と考えるためのヒントになることを感じられたでしょうか。

まとめ

今回のまとめは以下のとおりです。

※画像をクリックで拡大できます

複雑な平面図形になるほど、描く順番を意識することで解きやすくなる問題が多く出てきます(実は、出題者の意図としても、順番を意識することを想定しているんです)。

平面図形を見たときに「この図形はどうやって描かれたものだろう」と考えるクセをつけておくと、秋以降の入試問題レベルの演習にも取り組みやすくなるでしょう。

※記事の内容は執筆時点のものです

杉本啓太
この記事の著者
杉本啓太 専門家・プロ

学び処あぶどぅる代表。灘中学・灘高校から東京大学理科二類進学、同大学農学部卒業。大学時代は社会教育団体にて子どもの教育支援に携わりつつ、家庭教師・塾講師としても活動。卒業後は外資・日系コンサルティングファームに勤務しながら、土日は家庭教師としての活動を継続。その後プロ家庭教師として独立。学科指導だけでなく、学習の計画策定・環境作り・生徒の気質や性格面・親御様の関わり方など、ファームでの経験をベースとした抽象的な課題の対策立案・解決を得意とする。「悩みも解決策も子ごとに異なる」という考えのもと具体的で柔軟な指導をおこなっている。