学習 連載 中学受験のツボ[理科編]

【小6理科/光】車の進み方をイメージ!車輪を描きこんで光の屈折を攻略する|中学受験のツボ[理科編]

専門家・プロ
2022年9月23日 ヤジマ先生

保護者向けに中学受験の4教科のツボを解説。 理科編伊丹龍義先生山崎翔平先生ヤジマ先生が担当します。
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国語算数社会

今回は「光の屈折」に注目していきます。

この単元は、図を用いて考えると、速く正確に、そして感覚に頼らずに解答できます。

その手法をお伝えしていきますね。

光が屈折する理由

光の屈折に関する問題演習をたくさんこなしていくと、経験的に屈折する方向が分かるお子さんは多いです。

でも、「どうして?」と質問すると、「こう曲がると教わったから……」とか「何となくこう屈折することが多いから……」と言葉につまるケースが多いのも事実です。

まずは、光が屈折する理由をしっかり説明できることが、根本の理解につながっていきますので、屈折する理由の説明から確認することをおすすめします。

では、くわしく見ていきましょう。

光は同じ物質中を進んでいくときは直進しますが、異なる物質中を進むときに、その境界面で屈折するという性質がありましたね。

光が屈折する理由は、光が通過する物質によって、光の進むスピードが異なるからです。

「進むスピードが異なると屈折する」とは、どういうことでしょうか?

このことを考えるのに、車になぞらえて考えてみます。

光の進み方を車になぞらえて考える

たとえば、車が舗装された道路から、ぬかるみに入っていくところを想像してみましょう。

まず、舗装された道路では、車はスムーズに進みますよね。

そして、ぬかるみ入るとタイヤが空回りしてうまく進めなくなります。

では、下の図のように、舗装された道路とぬかるみの境目に対して、車が垂直に進んだ場合、車はどのように進むでしょうか。

※画像をクリックで拡大できます

この車の左右の車輪は同時にぬかるみに突入しますよね。

だから左右同時に減速します。車はそのまま直進しますね。

では……、境目に対して、車が斜めに進んだらどうなるでしょうか?

※画像をクリックで拡大できます

今度は、この図で見るところの右側(運転手から見たら左側)の車輪が先にぬかるみに入りますよね。

すると、先に右側の車輪だけ減速しますね。

その結果、左側の車輪の方のスピードが相対的に速くなります。

このため、車体が先回りして反時計回りに回転し、車の向きが変化するわけです。

このように、「ぬかるみに突入する車」と同じような現象が光でも起こります。

光が進む方向はどっちだ…?車輪を描いてみよう

中学受験の入試問題では、光が進む物質として空気・水・ガラスが頻出です。

この3つの物質、光の進む速さが速い順に、空気・水・ガラスです。

では、下の図のように空気中から水中に光が進む場合は、どう屈折するでしょうか?

ここでのポイントは、「光の進む方向に車輪を描く」ということです。

そうすると、先ほどの車の例と同様に考えることができます。

今回の場合だと、車輪を進めていくと、この図で見るところの左側(運転手から見て右側)の車輪が先に水中に入るので、スピードが遅くなります。その結果、右側の車輪が先回りするので、車輪全体が時計回りに回転して、光が図のように屈折することになります。

このように、図に車輪を描き加えると、左右のどちらのスピードが先に変化するかを見極めやすくなります。

では、何問か練習してみましょう。ぜひお子さんと考えてみてください。

練習問題

例題1

問題:
下の図のように水中から空気中に光が進む場合、どのように屈折するでしょうか?




正解はわかりましたか?図に車輪を描き加えて考えてみましょう。

正解は次のようになります。

この場合は、先に左の車輪が空気中に出るので、スピードが速くなります。その結果、左側の車輪が先回りするので、車輪全体が時計回りに回転して、光が図のように屈折することになります。

このように考えると、論理的に、かつ少し問題が難しくなっても対応することができます。

では、少し複雑にした応用問題をもう1問考えてみましょう。

例題2

問題:
下のように、上から空気、ガラス、水の順に並んでいるところに光が入ってきたとき、光はどのような経路で進むでしょうか?

ア~クの中から記号でひとつ答えてください。

(ヒント:光が進む速さは、速い順に空気中、水中、ガラス中です)




いかがでしょう?

この問題も次の図のように車輪を描き込むことで、わかりやすくなります。正しい進路を選ぶことができていたら完璧です。

※画像をクリックで拡大できます

正解は、「ウ」ですね。

算数もそうですが、図をつかって視覚的に解いていく解法は、理科でも有効です。

頭で「うーん」と悩んで進まなさそうなときほど、手を動かして考えていく学習をしていけると良いですね。

ぜひ試してみてください。

※記事の内容は執筆時点のものです

ヤジマ先生
この記事の著者
ヤジマ先生 専門家・プロ

現役塾講師。自身も中学受験を経験し、私立本郷中高、東京工業大学工学部建築学科を経て、現在大手進学塾で中学受験の理科・算数や最難関選抜ゼミを東京・神奈川で担当。新人研修や社内研修も担当し、人材育成や教材作成にも携わる。指導方針は「頑張る君の1番の味方」。努力を継続する事のやりがいや楽しさ、時には厳しさを子ども自身に経験させ、自立を全力でサポートする。また、理科では「絶対に理科嫌いにさせない」をモットーに授業を実践。学生時代はサッカーやバンドに熱中し、作詞作曲経験もある。