学習 連載 中学受験のツボ[国語編]

【小5国語/問題解法】抜き出し問題の解き方|中学受験のツボ[国語編]

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2022年10月01日 住岡大輔

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保護者向けに中学受験の4教科のツボを解説。 国語編 松尾吉久先生、住岡大輔先生、茂山起龍先生が担当します。
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算数理科社会

こんにちは、住岡です。

今回は、多くの子が「簡単」と思いがちな抜き出し問題を扱っていきますね。

さて、抜き出し問題にどのようなイメージを持っているでしょうか?

「書いてある内容を持ってくればいいから、記述問題より簡単」
「文字数をたよりに探せば答えが見つかる」

なんて声が聞こえてきそうです。

しかしそのイメージは、合っているようで違うのです。

抜き出し問題の問われ方

まずは、抜き出し問題の問われ方を確認していきましょう。

基本的には、3つのかたちで問われることがほとんどです。

  1. 指定字数ちょうど、もしくは指定字数以内で抜き出す
  2. 問題で指定された文の一部に当てはまる形で抜き出す
  3. 1〜2文まるごと抜き出す

[1]指定字数ちょうど、もしくは指定字数以内で抜き出す

ひとつめの問われ方を確認しましょう。

【例文】

さあ、オツベルは命懸けだ。パイプを右手にもち直し、度胸を据えて斯う云った。
「どうだい、此処は面白いかい。」
「面白いねえ。」象がからだを斜めにして、眼を細くして返事した。
「ずうっとこっちに居たらどうだい。」

百姓どもははっとして、息を殺して象を見た。オツベルは云ってしまってから、にわかにがたがた顫え出す。ところが象はけろりとして「居てもいいよ。」と答えたもんだ。

「そうか。それではそうしよう。そういうことにしようじゃないか。」オツベルが顔をくしゃくしゃにして、まっ赤になって悦びながらそう云った。

どうだ、そうしてこの象は、もうオツベルの財産だ。いまに見たまえ、オツベルは、あの白象を、はたらかせるか、サーカス団に売りとばすか、どっちにしても万円以上もうけるぜ。

出典:宮沢賢治 『オツベルと象』

【問題】

象は、オツベルの何になったのか。2字で抜き出して答えなさい。

【答え】

財産

[2]問題で指定された文の一部に当てはまる形で抜き出す

先ほどの例文を使って、ふたつめの問われ方を確認しましょう。

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住岡大輔

住岡大輔

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NPS成田予備校講師。個別指導Axisで指導スキルを磨き、中学受験から大学受験までの国語・社会を担当。中学受験では偏差値30台の生徒から偏差値60台の生徒まで幅広く経験。現在は、NPS成田予備校にて国語・社会を中心に指導。国語は「必要のない言葉は文章にない」「文法を使って読んでいこう」をキーワードに、文章を忠実に読む細かな読解法を実践。生徒を第一に思った指導方針でとことん生徒に付き合っていく熱意も持ち合わせている。それぞれの生徒に合わせた指導法で成績アップ、志望校合格へ導いてきた。