学習 連載 中学受験のツボ[国語編]

【小6国語/文章読解】象徴化されたモノを見つけよう|中学受験のツボ[国語編]

専門家・プロ
2022年11月12日 茂山起龍

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保護者向けに中学受験の4教科のツボを解説。 国語編 松尾吉久先生、住岡大輔先生、茂山起龍先生が担当します。
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算数理科社会

こんにちは、應修会の茂山です。

前回に引き続き、物語文を読むときのポイントを紹介します。

前回は「変化」について、主に「登場人物の成長」についてお伝えしましたが、今回はその変化を捉えるうえで大切な「象徴」についてお伝えします。

象徴とは?

物語文では、そのときの状況や心情、登場人物の関係をストレートに表現せず、モノを使って読者に伝えることがあります。そのまま表現してしまうと味気ないですし、幼稚な印象を与えてしまいますからね。

そこで、状況や関係を表現する際に使われるのが「象徴」です。少しイメージしづらいと思いますので、例を挙げて解説します。

象徴の例

昔、家族全員でつくり上げて、リビングの壁に飾ってある「ジグソーパズル」があるとします

少し難しい話に思えるかもしれませんが、この時点で、家族でつくり上げたジグソーパズルは“家族の絆・つながり”を表している、と理解できます。つまり、「小さなものを、ひとつずつ長い時間集めてつくり上げたモノ」を表す際の象徴(比喩)として、作者はジグソーパズルをあえて持ち出したんですね。

しかし文中では、ジグソーパズルが“家族の絆・つながり”を表していることを作者は直接教えてくれません。そのため読み手としては、作者が「ジグソーパズル」を文中に登場させた理由を考えなければならないのです。

 

その後、子どもが親と衝突した結果として、壁からそのジグソーパズルを外し、床に叩きつけたとしましょう

これは、“家族の絆・つながり”に亀裂が入ったことを表しています。

 

いろいろとやり取りがあり、ばつが悪くなった子どもがジグソーパズルを直そうとしますが、1ピース足りない……

この描写は、親との関係がぎくしゃくしたまま、なかなか元に戻らない様子を表しています。

 

このあと、子どもが親の想いを理解し、反省して、家族の関係が修復に向かったとします

そのとき、見つからなかった1ピースはどうなると思いますか?

きっと、どこからか見つかりますよね。これは、“家族の絆・つながり”が元に戻ったことを表しています。

文章を漠然と読んでいると気づけない

繰り返しにはなりますが、読者としてはジグソーパズルの状態から“家族の絆・つながり”を読み取る必要があります。

作者によって用意された「象徴」は、ただ漫然と文章を読んで、問題を解いているだけではなかなか気づけません。大人はいろいろな話の“ベタな展開”を知っているからこそ気づけるかもしれませんが、子供にはそうしたストックが少ないため、こうした解釈が苦手な子は少なくありません。

このような子には、大人が一緒に文章を読み、作者が伝えようとしていることを教えてあげましょう。

天気や色にも注目

「象徴」とは少し違いますが、天気なども、そのときの心情や状況を表していることがあります。

明るい色や、晴れた日は、そのときの状況が良いことが多いですし、誰かが悲しんでいたり、亡くなったりしたときは、しとしとと雨がふっていたり、登場人物が暗い色を身に付けていたりするものです。

雨が激しくなると、強い悲しみや怒りを表すこともありますね。

よく出る問題を、確実に正解しよう

「象徴」が出てくる文章は問題をつくりやすいため、出題される確率が高くなります

ほかの科目でもそうですが、よく出る問題は正答率も高くなるため、それを落としてしまうと合否に直結してしまいます。前述のジグソーパズルを“ただのジグソーパズル“としてしか捉えていない子と、“家族の絆・つながり”が変化している様子を暗示していることを捉えられている子では、得点に差が生まれてしまうんですね。

国語を苦手にしている子は多いですが、「うちの子は本を読まないから」「国語は、もう6年のこの時期からは伸びないよね……」とあきらめず、少しずつ丁寧に取り組んでみましょう。短い文章に親子でじっくり取り組んでみることで、成績が上向くこともよくあります。

入試の1科目めになることが多い国語で、自信をもって答えられる問題が多いと、その後の科目にも余裕が生まれます。本番の入試まで残り数ヶ月ですが、伸びる時間はまだあります。

引き続き、がんばっていきましょう!

※記事の内容は執筆時点のものです

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茂山起龍
この記事の著者
茂山起龍 専門家・プロ

中学受験指導塾「應修会」代表。自らも中学受験を経験。慶應義塾普通部に入学し、慶應義塾高校、慶應義塾大学へと進学。大学在学中から中学受験業界に足を踏み入れる。個別指導塾、家庭教師、大手進学塾で受験指導を行い、難関校から中堅校まで幅広く合格者を輩出。2011年2月、地元の西葛西に「應修会」を開校。5、6年生の4教科をレベル問わず指導する。受験生の親でもあるため、その苦労にも寄り添ったサポートをしている。