学習 連載 中学受験のツボ[国語編]

【小6国語/実践】「傍線部を説明する記述問題」の解き方|中学受験のツボ[国語編]

専門家・プロ
2022年11月25日 松尾吉久

0
保護者向けに中学受験の4教科のツボを解説。 国語編 松尾吉久先生、住岡大輔先生、茂山起龍先生が担当します。
- 国語以外の3教科はこちら -

算数理科社会

こんにちは、松尾です。

今回は、入試で正解にたどり着くための“実践的な力”を身につけることを目的に、「傍線部を説明する記述問題」の解き方をお伝えします。

近年、記述問題は増加傾向にあり、出題しない学校のほうが珍しくなっています。特に国語の場合、記述しなければならない文字数が多く、「傍線部とはどういう意味か」「傍線部をわかりやすく言い換えなさい」「傍線部はどのような比喩か」など出題形式もさまざまです。

お伝えする解き方をもとに、記述問題を得意にしていきましょう。

3ステップで解き進めよう

傍線部を説明する記述問題は、次の3つのステップで考えていくと解答をつくりやすくなります。

  1. 傍線部の語句から「わかりにくい表現(指示語、比喩表現など)」を探す
  2. 文章の前後を確認し、1のステップで見つけた「わかりにくい表現」を「わかりやすい言葉」に置き換える
  3. 傍線部の文を土台にして、文意に合うように表現を整える

例題

本文:

 おじいちゃんは大声で怒鳴った。初めてのことだった。真司は驚きのあまり、立ちつくした。「おじいちゃんなんか嫌いだ」そう叫んで、自分の部屋に逃げ込み、布団にもぐりこんだ。真司はそのまま眠ってしまった。「腹はすいとらんか」夕方近くになって、おじいちゃんが真司を呼びに来た。唐揚げに豚汁、真司の大好物だった。それでも真司は、こんなことにはだまされないぞ、と意地をはる気持ちと、またもとのように平穏な生活に戻りたいという気持ちが入り混じっていた。夕食を食べ終わり、部屋に戻ろうとする真司に、おじいちゃんが背後から声をかけた。「風邪ひかんようにあったかくして寝ろよ」真司は、正面を向いたまま言った。遠い沖まで流されてしまった釣り糸を必死で手繰り寄せるように。「ごちそうさま、おいしかったよ、おじいちゃん」
おじいちゃんは苦笑いしながら言った。「そら、そうじゃろ」
(筆者作成)

問:

傍線部「遠い沖まで流されてしまった釣り糸を必死で手繰り寄せるように。」とあるが、これはどのような意味か説明しなさい。

まずは、傍線部の「わかりにくい表現」を探します。いま、真司とおじいちゃんは家のなかにいて、夕食を食べ終わった後なので、「遠い沖まで流されて」「釣り糸」は比喩であることがわかります。

1~2文目を見ると、真司とおじいちゃんが争っていることもわかります。そして5文目を見ると、真司の心のなかには「おじいちゃんを遠ざけたい気持ち」「おじいちゃんと仲直りしたい気持ち」という、ふたつの気持ちがあることもわかります。

以上から「釣り糸」は“おじいちゃんの心”、「遠い沖まで流されて」は“ふたりの心の距離が離れてしまったこと”を表していると考えられます。

これを傍線部に当てはめると「自分から遠ざけたおじいちゃんとの心の距離を必死で手繰り寄せるように」となりますが、「手繰り寄せる」は“糸”の場合の表現なので、「心の距離」という表現に合うように「近づけたい」という言葉に整えます。

答え:

自分から遠ざけてしまったおじいちゃんとの心の距離を、なんとかしてもとのように近づけたいという気持ち。

まとめ

傍線部を説明する記述問題は、解答のつくり方を知っているかどうかで得点に大きな差が生まれます。物語文・説明文どちらでも出題がありますが、傍線部の文章を土台にしながら、わかりにくい表現をわかりやすい表現に置き換える、という基本的な考え方はどちらも変わりません。

ふだんのテストや入試で出題があったときは、今回紹介した解き方をぜひ試してみてください。

※記事の内容は執筆時点のものです

0
松尾吉久
この記事の著者
松尾吉久 専門家・プロ

進学塾MIC代表。駿台池袋校、駿台シンガポール、LEC、MICなどの進学塾で20年間最難関クラスを担当指導。高校受験・中学受験で、開成、灘、首都圏早慶附属校に80名以上の合格者を出した実績を持つ。