学習 連載 中学受験のツボ[社会編]

【小4社会 /工業】かつては生糸輸出で世界1位! 日本の繊維工業の歴史を見てみよう|中学受験のツボ[社会編]

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2023年2月28日 池田良輔

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保護者向けに中学受験の4教科のツボを解説。 社会編 吉崎正明先生池田良輔先生茂山起龍先生が担当します。
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国語算数理科

日本の最も主要な産業だった「繊維工業」ですが、塾の授業やテキストでは“過去のもの”として簡単にしか説明されていないようです。

しかし地理を深く学んでいくうえで、繊維工業の歴史をさかのぼっておくことはかなり有効です。そこで細かい部分まで含め、今回は日本の繊維工業の歴史について解説します。

天然繊維

繊維の種類は、大きく次のふたつに分けられます。

天然繊維……動植物由来の原料を使って製造される
化学繊維……化学的な工程を経て製造される

 

ここでは「天然繊維」を中心に見ていきましょう。

天然繊維の代表例は、次のとおりです。

綿(めん/コットン)……綿花が原料
(きぬ/シルク)……カイコの繭(まゆ)が原料
(あさ/リネン)……「麻」という植物の茎が原料
毛糸(けいと/ウール)……羊などの毛が原料

絹・麻

「絹」と「麻」のつくり方は、縄文時代から弥生時代にかけて大陸から伝えられたようです。

飛鳥時代以降の税制「租・庸・調」のうち、各家庭に課せられた「調」で納める品目には絹布(けんぷ)と麻布(まふ/あさふ)が含まれていたことを踏まえると、これらは家庭でも簡単につくれたことがわかります。

綿

「綿」が日本に流通したのは、

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池田良輔

池田良輔

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SRP教育研究所 文系主任。既存の学習塾への疑問からSRP教育研究所の立ち上げに参画、文系代表を務める。教育哲学・教育社会学・教育史学等の複合領域が専門基盤。ある思想家の「消費者マインドの助長や蔓延が教育を危機に向かわせている」という主張に共感し、「学びの活性化」を授業の最重要目的として、チャレンジを続ける。長野県の喬木村出身で、「関東地区喬木村ふるさと会」幹事でもあり、東京の自治体や私学のお子さんの、自然体験を通じた豊かな学びの機会創出を画策中。