学習 連載 中学受験のツボ[算数編]

【小6算数/場合の数】人をいくつかのグループに分ける問題の考え方|中学受験のツボ[算数編]

専門家・プロ
2023年5月18日 杉本啓太

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保護者向けに中学受験の4教科のツボを解説
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国語理科社会

こんにちは、株式会社ORA-Trioの杉本です。

今回のテーマは「場合の数・グループの分け方」。ある人数の人を、いくつかのグループに分ける場合の数を求める問題ですね。

このタイプの問題は、理屈をしっかりと理解しておくことが重要です。「解き方を覚える」というアプローチだと、問題文から適切な解法を判断するのが難しい場合があるからです。

一度解いた問題や、その数値を替えた問題は解けても、より複雑かつ初見の問題になると対応できない子も多くいます。

そこで今回は3つの例題をもとに、問題ごとのパターンと解法を整理して紹介します。「その解法でなぜ答えを求められるのか」について特に詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。

例題1:グループに名前があるタイプの問題

まずは、グループに名前がある問題です。

以下の例題を見てください。

例題1

8人の社員を、Aチーム4人とBチーム4人に分けます。分け方は何通りあるでしょうか。

 

このタイプの問題を考えるときのコツは、問題文の読み替えです。

チームの分け方

片方のチームの人の選び方

と読み替えてしまいましょう。

 

たとえば、8人の社員からAチームの4人を選んでしまえば、残りの4人は自動的にBチーム。つまり「Aチームに入る4人の選び方」がそのまま答えとなります。

まずは、この基本的な考え方をしっかり身につけておきましょう。

 

この問題の解説は、以下のとおりです。

1、AチームとBチームの分け方は「Aチームに入る4人の選び方」と同じ

2、8人から4人を選ぶ方法は、(8×7×6×5)÷(4×3×2×1)=70

答え:70通り

 

例題2:グループに名前がなく、同じ人数のグループもないタイプの問題

次は、グループに名前がなく、同じ人数のグループもない問題です。

例題2:

8人の社員を3人と5人に分けます。分け方は何通りあるでしょうか。

 

この問題の考え方は、実は「例題1」と同じです。

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杉本啓太

杉本啓太

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株式会社ORA-Trio代表。家庭教師。灘高校から東京大学理科二類進学、同大学農学部卒業。大学時代は社会教育団体にて子どもの教育支援に携わりつつ、家庭教師・塾講師としても活動。卒業後は外資・日系コンサルティングファームに勤務しながら、土日は家庭教師としての活動を継続。その後プロ家庭教師として独立。学科指導だけでなく、学習の計画策定・環境作り・親御様の関わり方・生徒の性格起因の課題など、抽象的な問題の整理と解決を得意とする。2023年2月、模試結果分析を中心とした家庭学習コンサルティングを手掛ける株式会社ORA-Trioを設立。