学習 連載 中学受験のツボ[理科編]

【小4理科/植物】ソメイヨシノって、どんな植物? ―― 桜の特徴を見てみよう|中学受験のツボ[理科編]

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2023年9月02日 伊丹龍義

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保護者向けに中学受験の4教科のツボを解説。
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国語算数社会

日本の「春の植物」を思い浮かべてください

こう問われると、多くの人はを思い浮かべるのではないでしょうか?

お花見は春の風物詩ですが、お花見と聞いて桜を連想するくらい、日本人にとって特別な思い入れのある花ですよね。

今回はその桜のなかでも、「ソメイヨシノ」という種類の桜について見ていきます。

ソメイヨシノの歴史

問題

ソメイヨシノはどうやって生まれた?

 

ソメイヨシノは、大昔から自然界にもともとあった植物ではありません。

「オオシマザクラ」と「ヤマザクラ」という種類の桜をもとにしている植物です。このことは、遺伝子を調べることでわかっています。

自然にできたものか、人がつくったものなのかははっきりとしていませんが、江戸時代に、江戸(いまの東京)の染井(そめい)村から広まっていった、というのは確かなようです。

 

実はこのソメイヨシノ、種子をつくることができない植物です。

種子をつくれないのなら、ソメイヨシノはどうやって仲間を増やして、現在のように日本各地に広がったのか?

そんな疑問も湧いてきますよね。

 

その答えとなるのが「接ぎ木(つぎき)」や「挿し木」といった方法です。

いずれも人工的な方法ですが、これらを用いてソメイヨシノは増やされていきました。

そのため、すべてのソメイヨシノは、同じ1本の木から分かれたものです。ですから、遺伝子的には“単一のもの”ということになります。

 

ソメイヨシノは、本来であれば広がりにくいつくりをした植物です。それにもかかわらず、その美しさから、人工的に多くの場所に植えられてきました

その結果、現在では日本ではもちろん、海外でもソメイヨシノを見ることができます。まさに、日本を代表する植物のひとつになっているんですね。

解答例

江戸時代に、2種類の桜が組み合わされて生まれた

 

ソメイヨシノの特徴

問題

ソメイヨシノの花が咲いているときの見た目の特徴は?

 

多くの植物は、花を咲かせるときにも「葉っぱ」が出ています。ですから、葉っぱの緑色のあいだに花が見られます。

しかしソメイヨシノは、花を咲かせる前には、ほとんど葉っぱを出しません。そのため花が咲いたときは、花の色だけが目立つことになります。

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伊丹龍義

伊丹龍義

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SRP教育研究所 所長。自身の塾で中学・高校受験、中高一貫校サポートを担当。教育格差解消と学習の効率化のため廉価に、そして自分のペースで見られ、電子辞書代わりにも使える映像授業に積極的に参加。学びエイド鉄人講師・家庭教師のトライ「TryIT中学理科」、同トライのオンライン集団ライブ授業(小学算数・中学数学・中学理科)担当。「観てわかる中1理科」(小学館)映像担当、その他、学習塾・参考書の映像授業担当多数。個人として「たこやきまるめがね」名義でYouTubeで中学受験算数・理科の映像授業準備中。プログラミング・ゲーム・パズルを教育現場に広める活動中。クイズ番組等の問題作成・監修多数。