学習 連載 中学受験のツボ[算数編]

【小6算数/立体図形】立体切断の2つの基本ルール|中学受験のツボ[算数編]

専門家・プロ
2023年8月27日 杉本啓太

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保護者向けに中学受験の4教科のツボを解説
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国語理科社会

こんにちは。
株式会社ORA-Trio杉本です。

今回のテーマは「立体切断」です。

立体図形の単元のなかでも、よく出題される単元のひとつですね。

 

この立体切断、得意な子のなかには、原則を意識せず「なんとなく」で解けている子も見かけます。慣れや感覚も決して悪いものではありませんし、問題なく解ける子はそれでも良いと思います。

でも、立方体を組み合わせた複雑な立体の切断など、はじめて見る立体切断では簡単にいかないこともあるでしょう。

このような問題では「立体切断の基本的なルールや考え方」の理解が大切です。ルールを理解しておくことで、テストではじめて見た立体でも、その場で「どのような切断面となるか」を考えることができます。

 

今回は、立方体・直方体を切断するときの基本的なルールについて解説します。

しっかりと基本的な考えを身につけたうえで、秋からの過去問などの実戦演習に臨んでいきたいですね。

基本ルール1:立体の同じ面上の2点は直線で結ぶ

まずは、最初に身につけたい2つの基本的なルールについて解説します。

以下の例題を見てください。

 

 

基本ルールの1つ目は「立体の同じ面上の2点は直線で結ぶ」です。

 

今回の問題では、通る点が3つ書かれています。

そして、点Aと点Pはどちらも面ABFE上の点、点Aと点Qは面AEHD上の点、点Pと点Qは面EFGH上の点です。

このように、立体の同じ面上に2点があるときは、その2点を直線で結びましょう。こうすることで、切断線を引くことができます。

 

解説は以下のとおりです。

1、点Aと点P、点Aと点Q、点Pと点Qはそれぞれ立体の同じ面上の点なので、直線で結ぶことができる

2、そのため、点A・点P・点Qを結ぶと、三角形となる

3、EP=EQ=3cmなので、ふたつの辺が等しい

4、よって、できる切断面は、二等辺三角形となる

 

当たり前のように感じるかもしれませんが、油断は禁物。「立体の同じ面上の2点」というのは見逃しがちなポイントです。

どんな点でも直線で結べばいい、というわけではないので注意しましょう。

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杉本啓太

杉本啓太

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株式会社ORA-Trio代表。家庭教師。灘高校から東京大学理科二類進学、同大学農学部卒業。大学時代は社会教育団体にて子どもの教育支援に携わりつつ、家庭教師・塾講師としても活動。卒業後は外資・日系コンサルティングファームに勤務しながら、土日は家庭教師としての活動を継続。その後プロ家庭教師として独立。学科指導だけでなく、学習の計画策定・環境作り・親御様の関わり方・生徒の性格起因の課題など、抽象的な問題の整理と解決を得意とする。2023年2月、模試結果分析を中心とした家庭学習コンサルティングを手掛ける株式会社ORA-Trioを設立。