学習 連載 中学受験のツボ[理科編]

【小6理科/浮力】水に浮くかどうか調べる方法|中学受験のツボ[理科編]

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2023年11月05日 伊丹龍義

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保護者向けに中学受験の4教科のツボを解説。
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国語算数社会

目の前にあるモノが水に浮くかどうか調べる方法としては、「浮力と重力」、そして「密度」がよく使われます。

このふたつの考え方は、本質的には同じです。とはいえ、計算や考え方が違っているように見えるので、それぞれを区別して理解できているか確認しておきましょう。

 

今回は、目の前にあるモノ(※)が、体積50㎤、質量60gであった場合について考えてみます。

※理科の世界では、本来は「物体」と「物質」を区別して表記します。特に、この記事の後半に出てくる「密度」の箇所に関しては「物質」と表記するべきですが、煩雑さを防ぐためにすべて「モノ」で統一しています

浮力の大きさ

問題

体積50㎤、質量60gのモノを完全に水に入れたとき、はたらく浮力の大きさはいくつか?(ただし、水の質量は1㎤で1gとする)

 

浮力の大きさは、モノを液体の中に入れることによって押しのけられた「液体の重さ」と等しくなります(※)

今回の問題では、体積50㎤のモノを水に入れることで、水50㎤が押しのけられます。水50㎤は質量50gなので、このモノにはたらく浮力も50ℊぶんの重力となります。

 

このモノには、重力によって「60g」ぶんの重さが下向きに、そして浮力によって「50g」の重さが上向きにはたらきます。

両者を比べると下向きにはたらく力のほうが大きいため、モノは水に沈みます。

 

今回のような「モノが水に沈む」という条件を式で表すと、「浮力<重さ」となります。つまり「体積の数字<質量の数字」ということです。

このように、水に浮くか沈むかは、重力と浮力の大きさで考えることができるのですね。

解答

50gぶんの重さ

※保護者向け

厳密には、浮力は「力」です。そのため正しくは、押しのけられた液体にかかる「重力」の大きさと等しい、となります。

しかし中学受験の段階では、質量の意味として「重さ」を使うことが多いため、ここでは「浮力=重さ」とし、文中でも「重さ50g」という表現を使用しています

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伊丹龍義

伊丹龍義

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SRP教育研究所 所長。自身の塾で中学・高校受験、中高一貫校サポートを担当。教育格差解消と学習の効率化のため廉価に、そして自分のペースで見られ、電子辞書代わりにも使える映像授業に積極的に参加。学びエイド鉄人講師・家庭教師のトライ「TryIT中学理科」、同トライのオンライン集団ライブ授業(小学算数・中学数学・中学理科)担当。「観てわかる中1理科」(小学館)映像担当、その他、学習塾・参考書の映像授業担当多数。個人として「たこやきまるめがね」名義でYouTubeで中学受験算数・理科の映像授業準備中。プログラミング・ゲーム・パズルを教育現場に広める活動中。クイズ番組等の問題作成・監修多数。