学習 連載 中学受験のツボ[社会編]

【小5社会/明治時代】間違えやすい用語を攻略しよう|中学受験のツボ[社会編]

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2023年11月07日 吉崎 正明

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保護者向けに中学受験の4教科のツボを解説
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国語算数理科

こんにちは、吉崎です。

小5の歴史も、あっという間にここまで来ましたね。復習はできているでしょうか。

中学受験の社会において、「歴史」はもっとも重要です。勉強は大変ですが、差がかなりつきやすい分野なので、地理以上に繰り返し復習をおこないましょう。

 

今回のテーマは「明治時代」。

前半では「明治維新」について解説しつつ、後半では明治時代の学習に出てくる「間違えやすい用語」を紹介します。

明治維新とは

明治維新とは、明治時代初期に起こった「政治や社会の改革」を指す言葉です。

これまでの政治といえば、江戸幕府が中心。つまり「武士」が中心だったため、それに合わせたルールもたくさん存在しました。

しかし「大政奉還」や「王政復古の大号令」といったことが次々と起こり、江戸幕府がなくなります。そこで武士中心の社会から、明治政府中心の社会に生まれ変わろうとするなか、武士中心だったルールを「明治政府中心のルール」に変える必要があったのです。

そして、そのためにおこなわれた政治や社会の改革が「明治維新」だと考えておくと良いですね。

 

たとえば以下のようなことは、すべて明治維新と関連があるものだとイメージしておきましょう。

  • 江戸を「東京」に改めた
  • 慶応から「明治」に元号を改めた
  • 首都を東京にした
  • 五か条の御誓文、五榜の掲示  など

 

五箇条の御誓文

「明治天皇が神に誓う」という形で発表されたのが、五か条の御誓文です。

新しい政治の方針が示され、以下を含む五か条から成り立っています。

  • 政治のことは、会議を開いて、みんなの意見を聞いて決めよう
  • みんなの心をひとつにして、新しい政治をしていこう
  • 役人も民衆も、すべての人々の願いがかなえられるようにしよう

新しい政治を進めるため、これまでの“悪いしきたり”をやめたり、外国からの新しい知識を積極的に取り入れたりする、といった内容も含まれました。

五榜の掲示

五榜の掲示は民衆に向けて出されたもので、5枚の立て札によってルールを示しました。

しかしその内容は、江戸幕府から課されていた制限と同じようなものばかり……

  • 大勢で要求したり、村から逃げ出したり、一揆を起こしてはならない
  • キリスト教はかたく禁止する

 

五か条の御誓文と比べると、内容も矛盾だらけな気もしませんか?

たとえば五か条の御誓文では「悪いしきたりをやめよう」「新しい知識を取り入れよう」といいながら、五榜の掲示ではキリスト教を禁止したり、大勢で要求したりすることも許されていないのです。

五箇条の御誓文で「新しい政治をして

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吉崎 正明

吉崎 正明

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現役塾講師。都内中学受験塾で社会・国語を担当。12年間在籍した大手進学塾では中学受験難関選抜ゼミ担当を歴任、社内数千名が出場する「授業力コンテスト全国大会」で優勝経験あり。その後家庭教師を経験し、2019年より現在に至る。指導方針は「正しい学習姿勢で、楽しく成績を伸ばす」。また、社会では「センス不要。イメージを作って考える」授業を実践しており、中学受験ナビでも「イメージで覚える中学受験歴史」を執筆。茨城県行方市出身。