学習 連載 中学受験のツボ[国語編]

【小5国語/読解のポイント】対比とは? 対比構造をつかむ2つの方法|中学受験のツボ[国語編]

専門家・プロ
2024年1月13日 住岡大輔

0
保護者向けに中学受験の4教科のツボを解説
- 国語以外の3教科はこちら -

算数理科社会

こんにちは、NPS成田予備校の住岡です。

5年生もまもなく終わり、受験生の年に移りますね。

1年後には受験本番が待ち受けているので、早いうちに基礎固めを完了させましょう。

早めの準備が、中学受験ではカギをにぎります。今まで習ってきたことの復習や、苦手分野の補強を、この冬から春にかけておこなえると良いですね。

 

さて、今回のテーマは「対比」。

対比とは何か、どのような文章構造になっているかを解説したあと、どのように文章を読んでいけば良いかアドバイスします。

それではいきましょう!

対比とは

対比とは、同じジャンルのものを比べることを指す言葉。

たとえば「私はサッカーが得意だが、弟はサッカーが苦手だ」というのも対比ですね。

ほかにも、「一般論と筆者の主張」も対比です。

 

つまり対比には、比べることで内容を際立たせ、何についての内容かを明確化する役割があります。

文章を読み解くときは、何が対比になっているのか? を必ず押さえるようにしましょう。

対比は頻出の表現技法

どんな文章ジャンルであっても、対比は頻出です。

たとえば説明文では対比が多く使われ、それによって文章の内容がさらに深いものへとなっていきます。

物語文でも対比が使われることがあり、特に「情景や心情が変化する場面」で多く見られますね。

対比の例(物語文)
はじめは暗い気持ちだった登場人物が、あるきっかけによって明るい気持ちに変化する

文章構造……「暗い ↔ 明るい」の対比

 

対比の文章構造

説明文を例にとり、対比の文章構造を見ていきましょう。

<例文>

西洋文明では、キリスト教の考えが根付いており、神が人を創造したとされている。
そして、その人は自然を自らの意のままにコントロールすることが許されると考えられている。
だから、自然は人に支配されるものなのだ。
例えば、庭を見てみれば、左右対称の均整がとれた形をしており、水は噴水のように自然では見られない流れをつくる。
さらに、人が住む場所も森を開拓し、城壁に囲まれた都市を形成し、人はその人工的な構造物の中に限られる。

一方で、日本では、人と自然が共存関係にある。精神的には万物に神や魂が宿るとされ、「畏れ」という感覚がある。
里山のように、人の手を入れることはあるが、自然を活用する方法で、人と暮らしている。
人の住まう場所と自然とがグラデーションになっており、城壁のような明確な境界は存在しない。
庭についても、借景や枯山水などの日本庭園に代表されるとおり、ありのままの自然を移植する形を好む。

(筆者作成)

 

この例文は、大きな文章構造として「西洋 ↔ 日本」という対比になっています。

続きは会員の方のみご覧いただけます

0
住岡大輔

住岡大輔

  • 専門家・プロ
  • この記事の著者

NPS成田予備校講師。個別指導Axisで指導スキルを磨き、中学受験から大学受験までの国語・社会を担当。中学受験では偏差値30台の生徒から偏差値60台の生徒まで幅広く経験。現在は、NPS成田予備校にて国語・社会を中心に指導。国語は「必要のない言葉は文章にない」「文法を使って読んでいこう」をキーワードに、文章を忠実に読む細かな読解法を実践。生徒を第一に思った指導方針でとことん生徒に付き合っていく熱意も持ち合わせている。それぞれの生徒に合わせた指導法で成績アップ、志望校合格へ導いてきた。