中学受験ノウハウ 連載 塾のトリセツ

[読者質問に回答]公立進学コースと中学受験の個別指導を併用するのはありですか?│ 中学受験塾のトリセツ

2024年1月16日 天海ハルカ

0

塾の選び方はさまざま。

立地や規模、合格実績などを見比べて我が子を任せられる塾を選びたいものです。

とはいえ同じ塾でもさまざまなコースが設けられているなど、考えれば考えるほど我が子に合う塾選びは難しいですよね。

今回は「中学受験塾のトリセツ」へ届いた塾選びについてのご相談に、塾講師の立場からお答えします!

公立進学コースと中学受験の個別指導を併用するのはあり?塾の選び方は?

■ニックネーム

よぜき

■お子さまの学年

小5

■質問内容

偏差値が高く無い学校への中学受験を希望しており、これまで行っていた塾から中学受験の集団塾に変えようと思っています。

しかし、集団塾の中学受験コースへの入塾には点数が足りていません。

この場合、どのような塾を選んでいくべきでしょうか。

例えば、公立に行く子供のコースと中学受験の個別指導を併用することを考えていますが、それでいいのかどうか悩んでいます。

はじめまして、よぜきさん。

5年生で中学受験を希望し、中学受験の集団塾へ切り替えるとのこと。

点数が足りていないということは、すでに一度入塾テストを受けてみたということでしょうか。

入塾テストで合否を設けているところは、5年生から難度がぐっと上がるので大変ですよね。

こちらの記事でもお話したように、一度は不合格になった入塾テストでも、再チャレンジで合格することはよくあるので、まだ一度しかチャレンジしていないようであれば再度試してみるのもいいと思いますが、今回は別の転塾先を考えるなら、という前提でお返事しますね。

合否のない入塾テストもある

多くの中学受験塾が入塾テストを設けていますが、実は入塾テストには合否をつけるものとつけないものとがあります。

合否をつける入塾テストでは結果次第で入塾できないことがありますが、合否をつけないテストではどんな結果でも入塾できます。

成績に合わせてクラスを決める、得意や苦手を可視化するなど、スムーズに塾で勉強を進めるためのテストという位置づけですね。

ですので、入塾テストがない塾、もしくは合否をつけないタイプの入塾テストを課す塾を検討するというのもひとつの方法かなと思いました。

公立進学コースと中学受験コースの違い

よぜきさんは公立進学コースも検討されているとのこと、基礎を含め学力の底上げとしては役に立つと思います。

今までいわゆる学習塾・補習塾に通われていたとすれば、これまでと雰囲気も近く、お子さんも馴染みやすいかもしれませんしね。

結果的にうまくいく可能性は十分あるとは思いつつ、いくつか懸念点も浮かびましたのでお話しします。

まずはカリキュラム。中学入試は6年生の冬なので、逆算すると6年生の夏には一通り必要な分野・単元の勉強を終え、それ以降は過去問など入試対策に力を入れたいところです。

この前倒しのカリキュラムに、公立進学コースだと対応できるだろうかと気になりました。

また、受験に向けたスケジュール管理や入試情報も、公立進学コースだとどの程度見てもらえるかがはっきりしません。

学校ごとの問題傾向や制限時間内に点数を取るためのテクニック、過去問の添削など、受験対策として塾にお願いしたいことはたくさんあります。

塾によるとは思いますが、公立進学が目的のコースでは、どの程度サポートが受けられるものなのか……。

中学受験することを決めていらっしゃるのでしたら、入試に必要なこれらのサポートがまとめて受けられるであろう中学受験コースのほうが、公立進学コースよりも、安心して入試へ向かえる可能性が高い選択肢ではないかと考えます。

また、公立進学コースと個別指導塾を併用するのも悪くはないのですが、費用と時間を考えるとなかなか大変かもしれません。

2ヶ所に在籍すると、スケジュールや教材の管理なども2倍になってしまう可能性があります。

いずれ併用を考えるにしても、転塾と同時に併用をスタートするのは、お子さん自身にも親御さんにも、なかなかの負担なのではと思われます。

塾選びは合格実績も見て

以上のことから、もともと考えていらした「中学受験の集団塾」への切り替えが、やはり良いのではないかと考えます。

入塾テストで合否をつけない、もしくは入塾テスト自体を実施していない塾を探してみるのはいかがでしょうか。

選択肢が複数あるのなら、立地やお子さんの性格を見て決めれば良いと思います。

それからぜひ見てほしいのが合格実績。志望校の合格実績を持っている塾があれば、優先的に検討したいですね。

合格実績があるということは、その学校を志望した生徒と向き合ってきたということです。

「説明会で入試の大事な話が聞ける」「例年、地元をテーマにした地理問題が出る」といった貴重な情報が得られるかもしれませんよ。

また、どうしても希望の集団塾が見つからない場合、受験対策に対応してくれる個人指導塾からスタートするのもいいと思います。

よぜきさんのお子さんは現在5年生とのこと。

6年生からの入塾だと、受験ムードが強くなり始めていることと思います。

お子さんが気圧されしない、通いたいと思える塾であることも非常に重要です。

ぜひ一緒に足を運んで塾選びをしてみてください。

納得できる塾が見つかりますよう、応援しています!

この連載では匿名での質問を受け付けています。ぜひ、塾について、中学受験についての質問などを、こちらの質問受付フォームからお寄せください。

※記事の内容は執筆時点のものです

0