【小5算数/倍数・約数】分数×分数=整数となる条件|中学受験のツボ[算数編]
こんにちは。
株式会社ORA-Trio杉本です。
今回のテーマは「分数」です。
分数に別の分数をかけ算・わり算して、整数をつくる問題を中心に解説します。
このような問題は、倍数・約数の単元での典型的な問題として出題されます。有名な問題であることから、やり方をほとんど丸覚えしてしまっている子もいるかもしれません。
ただし「なぜそのやり方で答えが求められるのか」を理解していないと、設定を変えた応用問題に対応できなくなります。
倍数・約数の性質を意識しながら、しっかりと理解しておきましょう。
基本的な「分数×分数=整数」の問題
まずは、基本的な問題の考え方について理解していきましょう。
以下の例題を見てください。
例題1
(1)ある分数に \(\frac{24}{7}\) 、\(\frac{36}{5}\) をかけたところ、どちらも整数になりました。ある分数として考えられる分数をひとつ答えなさい。
(2)ある分数に \(\frac{24}{7}\) 、\(\frac{36}{5}\) をかけたところ、どちらも整数になりました。ある分数として考えられる分数のうち、最も小さい分数を答えなさい。
例題1(1)
(1)ある分数に \(\frac{24}{7}\) 、\(\frac{36}{5}\) をかけたところ、どちらも整数になりました。ある分数として考えられる分数をひとつ答えなさい。
(1)から考えていきます。
問題文に書いてある条件を、式の形で書き直してみましょう。
求める分数の分母をA、分子をBとすると、以下のようになります。
上の式を見てください。
この答えが整数になるということは、分母が1になるということです。
Aと24で約分して、Aが1になる必要があるということですね。
このことから、Aは「24÷A」を計算するとわり切れる数、つまりAは24の約数となります。
また、Bと7も約分して、こちらは7が1になる必要があります。
このことから、「B÷7」がわり切れる、つまりBは7の倍数となります。
まとめると、上の式からは「Aは24の約数、Bは7の倍数」ということがわかります。
同じように、下の式からは「Aは36の約数、Bは5の倍数」となります。
これらのふたつの条件を合わせると「Aは24と36の公約数、Bは7と5の公倍数」ということです。
今回は、この条件を満たす分数を答えれば良いですね。
Aの候補は「2,4,6」など、Bの候補は「35,70,105」などがあります。
今回は、どれかひとつを答えれば良いので、たとえば「\(\frac{105}{4}\) 」といった答えとなります。
例題1(2)
(2)ある分数に \(\frac{24}{7}\) 、\(\frac{36}{5}\) をかけたところ、どちらも整数になりました。ある分数として考えられる分数のうち、最も小さい分数を答えなさい。
次に、(2)について考えていきます。
(1)で考えた分数のなかで、最も小さいものを答える問題です。
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