【小5社会/工業】戦後の「工業新人王」―― 化学工業の理解を深めよう|中学受験のツボ[社会編]
こんにちは、吉崎です。
今回のテーマは「工業」。
工業のなかでも、戦後に発達した“工業の新人王”こと、化学工業に注目して解説します。
化学工業とは?
化学工業とは、石炭や石油を原料として、化学肥料やプラスチック、医薬品などをつくる工業です。
なかでも石油を原料とした工業は「石油化学工業」といわれ、現代の化学工業の中心となっています。
石油を原料とする製品には、タイヤのゴムや、ペンキの塗料、ポリエステルなどの化学繊維がありますが、こう考えると、私たちの身のまわりには化学工業によってつくられた製品がたくさんあることがわかりますね。
「無印良品」で売っているような整理用ボックスや、ウインドブレーカーをはじめとする化学繊維が使用された衣類など、私たちの生活と密接にかかわっているものばかりです。
はじめは「原油」の状態で運ばれてくる
製品の生産に欠かせない石油は、中東地域などからタンカーを使い、「原油」という状態で運ばれてきます。
そして、石油化学コンビナートの蒸留塔を通じて加熱することで、以下のようなものが取り出されます。
- LPガス
- ガソリン
- ナフサ
- 灯油
- 軽油
- 重油
これらは、どのような用途で使うか知っていますか?
ガソリンや軽油は、自動車の燃料として使われているのでわかりやすいですね。
ナフサは、プラスチックなどの化学製品に使われています。中学入試でも頻出の重要知識なので、お子さんと一緒に確認してみてください。
石油化学工業は戦後に増えていった
石油化学工業は、日本では第二次世界大戦後、つまり戦後から増えていきました。
ちなみに、戦前にもあった金属工業や機械工業に加え、戦後に発達した工業なので、私は石油化学工業を“戦後の工業新人王”と呼んでいます。
石油化学コンビナートが新しく発達した場所の多くは、のちの「工業地域」となっていきました。
金属工業や機械工業、軽工業などと比べ、化学工業は新しい工業というだけでなく、蒸留塔や火力発電所、備蓄基地など、多くの新しい施設によって石油化学コンビナートが形成されているため、生産額が大きいことも特徴ですね。
とじる
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