学習 連載 中学受験のツボ[社会編]

【小5社会/地理】地方別分野の知識を整理するコツ ―― 地方ごとの地形と農業の特徴も|中学受験のツボ[社会編]

専門家・プロ
2024年5月06日 井上佳之

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保護者向けに中学受験の4教科のツボを解説
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国語算数理科

こんにちは、井上です。

5年生で学ぶ社会は、ゴールデンウイークの前と後で次のように分けられます。

ゴールデンウイーク前……産業分野の学習
ゴールデンウイーク後……地方別分野の学習

 

地方別分野では、各地方の産業についても一緒に学びます。

つまり、産業の学習で理解しきれなかった部分があっても、地方別分野の学習でリカバリーできるチャンスがあるのです。

 

ただし地方別分野に関しては、ひとつの地方に多くの事柄を当てはめて学ぶため、覚えるべき内容は毎週かなりの量になりがち……。

お子さんによっては、大事な知識を十分に覚えないまま1週間が経過してしまうこともあるでしょう。

そこで今回は、地方別分野の膨大な情報を整理するコツを紹介します。

都道府県の位置と形をしっかり覚える

日本は8つの地方に分けられますが、テキストによっては情報量と内容に応じて2つの地方を1つに組み合わせていたり、西から順番に説明していたりとさまざまです。

そして、都道府県・都市・地形・農業・工業・交通・文化など、毎週盛りだくさんの内容を学習しますが、いずれにしても最初に覚えておきたいのは「都道府県の位置と形」です。

 

都道府県の位置と形は、情報を盛り込む“ロッカー(収納箱)”のようなもの。

そもそもどこに詰め込むべきかわからないと、情報の整理はうまく進みません。

 

お子さんは「覚えているから大丈夫!」と言うかもしれませんが、白地図やゲーム、カード、アプリなどを使って、都道府県の位置と形を確認してあげてください

鼻歌交じりに言えるくらい完璧であれば褒めてあげましょう。どうやら怪しそうであれば、一緒に楽しみながら覚えてみてください。

地形と農業はセットで覚える

地形と農業(農林水産業)は結びつきが強いため、それぞれの知識をセットで押さえるのがおすすめです。

ここでは地方ごとに分けて、それぞれの地形と農業の特徴をお伝えします。

北海道地方

北海道地方は、中央部に石狩山地、中央から南に向かって日高山脈が伸びています。

農林水産業が盛んな北海道地方では、九州地方と同じく食料品工業が盛んです。

 

エリアごとに、以下のような特徴もあります。

1、石狩川沿いの上川盆地・石狩平野……稲作地帯
2、十勝川沿いの十勝平野……畑作地帯
3、根釧(こんせん)台地……酪農地帯

 

東北地方

東北地方は、背骨のように長く連なる奥羽山脈が中央にあり、日本海側には出羽(でわ)山地、太平洋側には北上(きたかみ)高地が並んでいます。

農業に関しては、大きくふたつのエリアに分けられます。

1、津軽平野・秋田平野・山形平野・仙台平野など
国産の50%以上を占める津軽平野のりんごの生産以外は、すべての平野で稲作が盛ん

2、山形盆地・福島盆地など
山形盆地は「おうとう(さくらんぼ)」、福島盆地は「もも」の生産が盛ん

 

東北地方の工業は、それほど盛んではありません。しかし古くから冬は雪に閉ざされてきたため、その長い冬を使って、地元の材料をもとにして多くの工芸品がつくられてきました

これらの工芸品は、経済産業省によって「伝統工芸品」にも指定されています。

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井上佳之

井上佳之

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学習塾伸学会講師。中学受験講師歴は30年に及ぶ。教室や地域の責任者として受験指導、保護者説明会・面談対応、カリキュラム・教材の作成等に携わる。東京・神奈川・埼玉・千葉の御三家をはじめとする、ほぼ全ての難関校に生徒・保護者を送り出した経験をもつエキスパート講師。社会科は、これから大人になる生徒の生きる力にもなりうる科目であり、家族の会話を豊かにし、他科目の学習意欲にも火をつける魔法の力を秘めていると考えている。