【小6算数/文章題】つるかめ算・不定方程式の見極めと解法|中学受験のツボ[算数編]
こんにちは。
株式会社ORA-Trio杉本です。
今回のテーマは「不定方程式と3段つるかめ算」。
受験生が混同しがちな、2種類の問題について解説します。
この2種類の問題は、問題文や条件が非常に似ています。不定方程式にたったひとつ条件が加わるだけで、3段つるかめ算の問題となります。
ただし、解くときに必要な解法は、実はまったく異なります。
つまり、「問題文の条件の確認と、解法の判別」が非常に大切なポイントになるのです。
それぞれの問題の条件を理解したうえで、「今回はどちらの問題か」を正確に判断し、解き始められるようにしておきたいですね。
Contents
不定方程式の条件と解法
まずは「不定方程式」について解説します。
以下の例題を見てください。
例題1
おかしが2個入った袋A、4個入った袋B、7個入った袋Cが合わせて30個あります。おかしの数は全部で148個です。袋Aは何個あるでしょうか。考えられるすべての数を答えなさい。
3つの数(ひとつの袋あたりのおかしの数)があり、それぞれにかける値(袋の個数)の合計と、積の合計(おかしの数)がわかっている、という状態です。
不定方程式と呼ばれ、答えが複数考えられる場合があります。
このような問題は、3段の面積図で解くのがおすすめです。
タテ……ひとつの袋あたりのおかしの数
ヨコ……袋の個数
として面積図を描くと、以下のようになります。
ここで、いちばん下の段の長方形を切り取ると、その部分の面積は 2×30=60。
すると、残りの部分の面積は、148-60=88 となります。
この部分の縦の長さは2と5なので、「袋Bの数を◯、袋Cの数を□」と書くと、以下の式が成り立ちます。
2×◯+5×□=88
◯と□の和が30以下であることに注意しながら書き出していきます。
すると、◯と□の数として考えられる組み合わせは、以下の4つとなります。
◯=4、□=16
◯=9、□=14
◯=14、□=12
◯=19、□=10
3つの袋の数の合計は30個なので、それぞれのときの袋Aの数を求めることができます。
30-(4+16)=10個
30-(9+14)=7個
30-(14+12)=4個
30-(19+10)=1個
まずは、この不定方程式の解き方をしっかり身につけましょう。
3段つるかめ算
次は、「3段つるかめ算」と言われる問題です。
先ほどの問題との違いに注意しながら、問題文を読んでみてください。
例題2
おかしが2個入った袋A、4個入った袋B、7個入った袋Cが合わせて30個あります。おかしの数は全部で148個です。袋Cは袋Aの2倍あります。袋Bは何個あるでしょうか。
例題1との違いに気づいたでしょうか?
「袋Cは袋Aの2倍あります」という条件が追加されましたね。
この問題は「3段つるかめ算」と呼ばれ、答えがひとつに定まる問題です。
3段つるかめ算は、表を使った解法がおすすめです。
解法は以下の通りです(ぜひ一緒に表を描きながら考えてみてください)。
1、袋A、B、Cの個数とおかしの個数を表にして考える
30袋すべてが袋Bだと考えると、以下の表のようになる。
2、袋Bを減らし、袋Aと袋Cを増やしておかしの個数を確認していく
「袋Cは袋Aの2倍ある」という条件があるため、1回の操作で「袋Aを1個、袋Cを2個増やし、袋Bを3個減らす」という操作となる。
このとき、おかしの個数は、
2×1+4×27+7×2=124個
となり、4個増える。
3、おかしの個数は合計148個なので、(148-120)÷4=7回、同じ操作をすれば良いことがわかる
4、ここまでくれば、袋Bの数を次のように求められる
袋Aは7個
袋Cは7×2=14個
袋Bは30-(7+14)=9個
このように3段つるかめ算は、計算によって答えをひとつに絞ることができます。
条件がひとつ加わるだけで、まったく異なる単元の問題、異なる解法となることが理解できたでしょうか?
- どのような条件があれば、不定方程式か
- どのような条件があれば3段つるかめ算か
をしっかりと整理しておきましょう。
まとめ
今回は、不定方程式とつるかめ算の見極め方・解法の違いについて解説しました。
今回紹介したふたつの問題のように、似ている問題こそ「問題の条件と使うべき解法」をどこまで整理できているかが問われます。
あせらず、丁寧に習得していけると良いですね。
それではまた!
※記事の内容は執筆時点のものです
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