
【小6理科/電気】電気回路を理解するための3つの約束|中学受験のツボ[理科編]
理科講師兼学習アドバイザーの山崎です。中学受験生のサポートをしていると、多くの子が電気分野で苦戦していると感じます。その原因は、何でもかんでも暗記で乗り越えようとしているからなんです。
もちろん知識が必要な分野で覚えることもあるのですが、暗記を最低限で済ませることで知識の整理ができて、応用問題にも対応できるようになります。
今回は電気分野で覚えて欲しい「約束」に絞ってまとめたいと思います。ここだけはお子さんが覚えているか確認してあげてください。覚えかたも紹介しますので暗記が苦手でも大丈夫です。
まずは、3つの「約束」をおさえておきましょう。
約束1:電圧と電流、抵抗の関係
電気回路に関しては、次のことを必ず覚えておきましょう。理解の助けになります。
以下は、電気回路の学習で必ず登場する式です。
電圧[V]=電流[A]×抵抗[Ω]
電流[A]=電圧[V]÷抵抗[Ω]
抵抗[Ω]=電圧[V]÷電流[A]
つぎに、この式にどんな意味があるのかを、まとめていきます。
乾電池の数やつなぎ方を変えない限り、電圧は変わりません。電圧が変わらないときは、電流と抵抗が反比例します。反比例とは「抵抗が2倍になると、電流の大きさは半分になる」ということです。
ここを押さえておくと、豆電球の直列つなぎが理解できるようになります。
「抵抗とは、電流を流しにくくするものなので、抵抗が大きいと電流が小さくなる、つまり“反比例”する」
この点が理解できていれば、式を暗記しなくても大丈夫です。どちらの方法で覚えるかは、子どもに合わせて選ぶと良いと思います。
約束2:電流と電圧、抵抗のイメージは、川の流れのように
電気分野は、ほとんどの受験生が同じように苦戦しています。理由はいくつかありますが、電気という「目に見えないもの」が理解しづらい子が多いと感じます。
そこで、目に見えない電気をイメージしやすくしてみます。
今回は、電気回路を高低差のある川に見立てます。
下の図のように、「電圧」は「川の高さ」、「電流」は「水の流れ」、「抵抗」は「川にある岩」にたとえることにします。
約束3:抵抗の大きさは長さに比例し、太さに反比例する
抵抗は、長くなるにつれて大きくなり、太くなる(断面積が大きくなる)ほど小さくなります。
抵抗は高低差のある川でたとえると「川にある岩」でしたね。
それでは、川の水になりきってみましょう。
流れが進みにくいと感じる場合は、抵抗が大きいということになります。入口が広い道と狭い道は、どっちが進みにくいでしょうか。
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入口が狭い方が、進みにくいですよね。つまり断面積は小さい方が、抵抗は大きい。逆にいえば、入口が広い方が進みやすいということです。つまり、断面積が大きい方が抵抗は小さい、ということになります。
次に長い距離に「岩」がある場合と、短い距離にだけ「岩」があって、そのあとは何もない場合では、どちらが進みにくいでしょうか。
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障害物である「岩」が長い距離だけある、つまり抵抗の長さが長いほど、進みにくいので、抵抗は大きいということになります。
電気回路を理解する方法まとめ
電気分野の苦手を克服するには、3つの約束を理解するのがポイントです。
約束1:電圧と電流、抵抗の関係
約束2:電流と電圧、抵抗のイメージは、川の流れのように
約束3:抵抗の大きさは長さに比例し、太さに反比例する
これらの約束を、丸暗記しないでしっかり理解できていれば、より高度な問題にも対応できるようになります。
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