学習 連載 中学受験のツボ[国語編]

【小5国語/文章読解】テーマごとに内容を理解しよう|中学受験のツボ[国語編]

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2023年3月07日 茂山起龍

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保護者向けに中学受験の4教科のツボを解説
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算数理科社会

こんにちは、應修会の茂山です。

今回は、文学的な文章を解くときに大切な「テーマのつかみ方」をお伝えします。

テーマは4つに大別できる

テーマといっても、文章によって毎回違うんじゃないの? と思う方もいるかもしれませんが、文学的な文章で問われるテーマは「愛情」「勇気」「」「マイノリティ」あたりに大別できます。そして、こうした経験を経た主人公の「成長」を掴んでいくことが読み取りの基本です。

小学生が読んで解く文章なので、道徳的観点から見て“正しいテーマ”が扱われる傾向もあります。ひとつのテーマしか扱わない場合もありますし、いくつかのテーマがミックスされて出題されることがあるのも特徴です。

 

物語文は、筆者が自由につくり上げた世界です。読者としては、そこに込められた“サイン”を読み解く必要がありますが、説明文と違い、それらは筆者によって隠されている場合が多いため話題をつかむのに苦労することも。問題作成者が、文章のどの部分を読み取って問題をつくったのかも考える必要があります。

何の考えもなしに解いてしまうと点数も安定しないので、ここでは4つのテーマに分けて、それぞれのテーマを読み解くためのポイントを紹介します。

テーマ[1]愛情

愛情」がテーマの文章は、友情、恋愛、親子愛、師弟愛、祖父母の愛、兄弟愛 ―― といったかたちで細分化できますが、いずれの場合も愛情というものを最初は認識しておらず、何かのきっかけでその愛を知ることになる、つまり「心が成長していく様子」を描いていく流れが王道です。

愛情がテーマの物語文には「三世代家族」がよく登場します。長文の出題が多い中学校がよく取り上げるテーマですね。

 

ちなみに「恋愛」と「親子愛」は、小学生にはイメージしづらいかもしれません。「恋愛」はストレートに気持ちを表現できない様子「親子愛」は見返りなしで愛を注ぐ“無償の愛”について描かれることが多いですが、これらを理解できない子が多いんですね。

「祖父母の愛」も“無償の愛”がテーマになることがありますが、親子間よりも衝突が少なく、祖父母から注がれる愛情も理解しやすいことから小学生でもイメージしやすいようです。

テーマ[2]勇気

勇気」がテーマの文章は、そこに描かれる成長を子供でも理解しやすいかなと思います。そして多くの場合、勇気のサブテーマとして「葛藤」についての内容が描かれていることも特徴です。

やりたくない、怖い、できない、でもやらなくてはいけない ―― といった気持ちの揺れ動きや、表情、言葉から、そうしたジレンマにも似た気持ちを読み取り、心情がどう変化していくかを考える必要があります。

すべての文章において、主人公が目の前のカベを乗り越えるかどうかは一概には言えませんが、“成長をしない”という文章は受験では取り上げられないでしょう。カベに当たっても、そこから何かを感じ、心が成長していく様子を描いた文章が大半です。

テーマ[3]死

」は難しいテーマではありますが、内容そのものはつかみやすいかと思います。ペットを飼っている子や、親族の死を体験している子であればすんなり理解できることも多いでしょう。

しかし小学生だと「死」を体験した子は少なく、ピンとこない子も少なくありません。「悲しいお話」と単純に捉えてしまうと、そこに隠された成長に気づかず失点してしまうことも。そうした意味ではかなり難しく、点数が割れやすいテーマといえるかもしれません。

死について書かれた文章を読むときは、「死を受けいれ、それを乗り超えていく様子が描かれる」ということをまずは理解しておきましょう。「そうした経験をした人は強く成長する」ということも押さえておきたいですね。

このことを理解できていれば、大きな失点は防げるはずです。

テーマ[4]マイノリティ

マイノリティ」がテーマの文章には、外国人や障碍者との出会いなどが一般的に取り上げられます。特に震災以降は「ボランティアと被災者」といった題材も多く見られるようになりました。

このテーマでも、ほかのテーマと同じく「心の成長」が描かれます。「自分とは異なる人との出会いにより、“自分自身”が見えてくる」という内容の出題が目立つので、この流れを念頭に文章を読み進めましょう。

 

マイノリティのサブテーマともいえるのが「対等」です。子供たちを指導していると「対等」や「ノーマライゼーション(※)」といった意味を本当にわかっている子は1割ほどに感じますが、この点についての理解が乏しい子は文章をいくらしっかり読んでも点数がとれません。

小学生のうちは出会いも限られてしまうので、まずはまわりの大人が、こうした言葉の意味について丁寧に教えてあげたいですね。

※「障がいのある人が、障がいのない人と同等に生活し、ともにいきいきと活動できる社会を目指す」という理念のこと

まとめ

国語の文章は適当に読むのではなく、「テーマをつかむ」というクセをつけることが大切です。そうすることで成績が安定します。

テーマごとの内容は一朝一夕でつかめるものではありませんが、読む経験を積むことで、文章を俯瞰して捉えられるようになり、それぞれのテーマが描いている内容も理解できるようになるでしょう。

※記事の内容は執筆時点のものです

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茂山起龍

茂山起龍

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中学受験指導塾「應修会」代表。自らも中学受験を経験。慶應義塾普通部に入学し、慶應義塾高校、慶應義塾大学へと進学。大学在学中から中学受験業界に足を踏み入れる。個別指導塾、家庭教師、大手進学塾で受験指導を行い、難関校から中堅校まで幅広く合格者を輩出。2011年2月、地元の西葛西に「應修会」を開校。5、6年生の4教科をレベル問わず指導する。受験生の親でもあるため、その苦労にも寄り添ったサポートをしている。