学習 連載 中学受験のツボ[理科編]

【小6理科/学習のポイント】理科の点数を伸ばすには?|中学受験のツボ[理科編]

専門家・プロ
2023年3月11日 山崎翔平

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保護者向けに中学受験の4教科のツボを解説。 理科編伊丹龍義先生山崎翔平先生が担当します。
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国語算数社会

こんにちは、理科講師兼学習アドバイザーの山崎です。

新6年生の子はいよいよ受験学年になり、理科の受験勉強を本格的に始めている頃かと思います。

今回は、これまで理科の勉強を十分にしてこなかった子や、中学受験対策としては本格的に勉強をしていない子に向けて、理科の点数を伸ばすために押さえておきたいことをお伝えします。

「苦手をなくすこと」が受験勉強の基本

理科を勉強するにあたり、私はまずは好きなことをどんどん見つけ、子供たちにはそれを深く勉強してほしいと思っています。しかし受験勉強についていえば、好きなことばかり勉強しているわけにはいきません。

受験が終わったら好きな勉強に思う存分取り組むとして、受験勉強の期間だけは「苦手な勉強」にも目を向けましょう。理科は苦手分野がなくなるだけで、点数や偏差値が大きく上がる科目だからです。

そして苦手な分野をなくすには、問題演習で間違えた問題をきちんと解き直すことが大切です。

答えの丸写しはNG

子供たちのノートをチェックしていると、マルつけをして、間違えた問題の正しい答えを赤で書き込むだけ、という子をよく見かけます。

しかしこれは解き直しでもなんでもなく、答えをただ写しただけ

一方で理科の点数が上がっている子を見てみると、「余白」を十分に用意したうえで問題演習に臨んでいるんですよね。そして間違えた問題があったときは、覚えていない公式をその余白に書き込む、知識不足が原因で失点してしまった場合は基本事項をまとめておく、といった工夫をしています。

ある子は、間違えた問題だけを印刷してノートに貼り、解き直しをしていたことも。シンプルな方法ですが、同じ問題を何度も解き直すことは大切なので良い方法ですね。

解き直しの方法はそれぞれのやり方でOKですが、ただの“作業”にならないように気をつけましょう。

おすすめの勉強法

分野ごとの、おすすめの勉強法を紹介します。

まず、生物と地学は「知識を整理しておくこと」が重要です。この分野が苦手な子は、次の勉強法を試してみましょう。

生物・地学の勉強法

  1. 教科書や参考書を読んだうえで、覚えたい知識を表にまとめておく
  2. 暗記カードをつくってゲーム感覚で暗記する
  3. (雑誌を読むような感覚で)資料集を何度も確認する
  4. 絵を描くことで暗記する

1の方法については、『予習シリーズ』の演習問題集に記載のある「まとめ」を参考にしつつ、その内容をノートにまとめておくのがおすすめです。用語を覚えるのに苦労する子は、暗記カードをつくってゲーム感覚で楽しく覚えましょう。

 

問題を解くときや、ノートにまとめるときは「図」を描くことも意識したいですね。その分野・単元を本当に理解できていれば図を描いて説明できるものですが、図をうまく書けないときは十分に理解できていない可能性が高いからです。

なかでも地学分野の「天体」は、図を使って整理しておくのが有効です。天体の動きを“矢印”などで表すことによってイメージを膨らませておきましょう。参考書や塾のテキストにある図解を見ながら、文章の意味も理解しておきたいですね。

 

物理分野は、問題演習に重点的に取り組むことが大切です。答えの丸写しは避けつつ、間違えた問題をしっかり解き直すことも意識しましょう。

 

以上、理科の点数を伸ばすための「勉強のポイント」を紹介しました。

問題の傾向や、求められる知識などは分野ごとに違うため、対策の方向性も異なってきます。今回の内容を参考にしつつ、苦手な分野がある場合には優先的に対策していきましょう。

※記事の内容は執筆時点のものです

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山崎翔平
この記事の著者
山崎翔平 専門家・プロ

SRP教育研究所 学習アドバイザー。(株)amici 学習アドバイザー。元アオイゼミ講師。首都圏および九州の学習塾などで理科の指導をする傍ら、学習アドバイザーとして、学習方法や学習習慣づけの指導も行っている。 高校受験、中高一貫校、大学受験、医学部受験も担当とし、小学校範囲にとどまらない、小中高一貫指導を得意とする。 「なぜ」を大切にし、身のまわりの現象を「ひもとき」体系的に指導し、楽しくなきゃ勉強ではない、続けることが大事だというのがモットー。